2010年8月6日(金曜日)[ トピックス ]

全国一律時給1000円への最低賃金引き上げで「経済・財政・社会保障の一体的建て直し」を

地域別最低賃金額改定の目安を決める中央最低賃金審議会。今年度の初会合は7月2日に開かれ、14日の小委員会では、最低賃金が生活保護費を下回る地域が12都道府県に上る(最大格差は神奈川の47円)ことが厚生労働省から報告されました。2008年施行の改正最低賃金法で、憲法25条の文言が条文に書き込まれ、生活保護との整合性に配慮することで「最賃決定における生計費原則の強化」がはかられたことによるものです。

一方、全労連の最低生計費調査の結果、静岡市在住の25歳独身男性の場合で最低生計費は月額23万5757円(税、社会保険料込み)、時給換算額1356円(173.8H/月)となり県の最賃713円と大きな隔たりがあること。最賃を1356円に引き上げた場合には約3960億円の需要増加と約3万人強の雇用誘発につながる経済波及効果が見込めること。地方で大幅な引上げは厳しいかもしれないが、最初だけ中小企業などへ厚い支援をすれば、その後は経済波及効果により経済の活性化が期待できること。住居費が高い首都圏と移動に自家用車が欠かせない地方とで最低生計費にほとんど差がないこと。したがって、最賃は地域別ではなく全国一律制が妥当であることなどが明らかになりました。

また、月額設定の生活保護費に対し時間額である最賃の月労働時間の基準も論点です。厚労省は法定労働時間上限を主張する経営側意見に沿って月173.8時間(年間2085時間)で計算しています。全労連は、最賃を高く見せるための換算ではなく、年間労働時間1800時間の月割=150時間で換算すべきであると主張しています。2日の初会合では、最賃の引上げをけん制する発言が経営側から相次いだと報じられました。法人税は下げろ、消費税は上げろ、最賃は上げるな、その先にどんな未来があるというのでしょうか。

最低賃金時給1000円への引上げは、1000万人を超えて広がる年収200万円以下のワーキングプアを減らすだけでなく、消費の拡大と景気の回復、税収増と国保や年金の未納者の減少にもつながるもので、菅首相がめざす「経済・財政・社会保障の一体的建て直し」にも沿うものです。「中央最賃審議会」が「目安」を提示した後、舞台は「地方最賃審議会」へ。夏から秋にかけて、経営側の身勝手な主張を許さない闘いが求められています。

「横浜市従」第1252号(2010年7月15日・8月1日付合併号)より

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