2010年10月1日(金曜日)[ あなたもワインラヴァーに ]

第17回ワインの選び方(8)「デザートワイン」

前回まで4回にわたりチーズの特集でしたが、またワインに戻ります。今回からはデザートワインとも呼ばれる甘口ワインについてです。

みなさんご存知のとおり、大量の糖分(残糖)を含む甘口のワインのことを総称してデザートワインといいますが、その造り方には様々な製法があります。果汁糖度を上げる方法、酒精強化による方法、ワインに果実や薬草を浸漬する方法などがあり、栽培・醸造に関する技術を駆使して、それぞれが個性的で奥の深い世界を作っています。

貴腐ワイン
普通は9月下旬頃からぶどうを収穫しますが、貴腐ワインを造るときは11月頃まで収穫を待ちます。すると霧が多い地域ではぶどうの表面にカビの一種であるボトリティス・シネレアという名前の貴腐菌(灰色カビ病菌ともいう)がついて成長します。この菌はぶどうの表面に小さな穴を開け果実の水分を蒸発させます。

その結果、果汁は濃縮され糖度は高くなっていきます。この果汁で作られたワインを貴腐ワインと呼び、デザートワインの代表格として知られています。

しかし、貴腐菌が付着してもすべての品種が貴腐ワインになるわけではありません。普通の品種では雑菌も同時に繁殖し果粒を腐敗させてしまいます(灰色カビ病)。貴腐化が起こる品種は、ぶどう果皮の外側を覆うワックス層の厚さや果皮組織に違いのある、シュナン・ブラン、セミヨン、リースリング、フルミントなどの白ぶどう品種です。

貴腐菌による変化は、果粒中の糖分比率が2倍程度に増すこと、グルコン酸等が生成されることの他、アルコール発酵中にグリセロールが多く生成されワインの粘性が増し、貴腐香といわれる独特の香りが着くことです。

また、収穫の時期をかなり遅らせるので、その間に豪雨や雹が降ればぶどうが全滅ということもあります。収穫は丁寧に手摘みしますので人件費も多くかかります。これが値段が高くなる理由です。

酒精強化ワイン
別名フォーティファイド・ワインと呼ばれます。ワインの発酵中または発酵後にブランデーなどの強いアルコールを加えてアルコール度数を高め、保存のきくワインにしたものです。ワインが発酵槽に入れられて2~3日経ったとき、アルコール度数の高いブランデーを加えると発酵が止まり、糖分がワインの中に残り、甘口タイプのワインになります。ポートワイン(甘口)はこのようにして造られます。

それとは別に発酵を終えたワインにブランデーを加えたものはぶどうの糖分がすでにアルコールに変化していますので辛口タイプになります。スペインのシェリー(辛口)がその代表格です。次回につづく…。

〈おすすめワイン〉
貴腐ワインは高いのでドイツの美味しいベーレンアウスレーゼを。

4-03

ベヒトハイマー ハーゼンシュプルング フクセルレーベ ベーレンアウスレーゼ

750ml白極甘口
マイサー醸造所


「横浜市従」第1255号(2010年10月1日付)より

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