2010年10月15日(金曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

嗚呼、高負担・低福祉国家、日本

10月8日(金)、市人事委員会勧告が出された。本俸の平均削減額は3262円。中田前市長が誕生した翌年から8年間、本市はプラス勧告がない。その結果、60歳定年を来年度に控え、賃金水準は10年前に戻った。退職金を含めた削減額はいかばかりであろうか、計算する気にもなれない。

一方、税金や社会保険料の負担はどうか。「平成の借金王」を自称した小渕内閣が「恒久的減税」として打出した定率減税は、2006年に半減、2007年に全廃された。

年金掛金や健康保険料は2003年度以降一時金からも徴収されるようになり負担は増すばかりだ。両者併せて年間90万円を超える(私の場合)。

それだけではない。健保は2003年度から窓口自己負担が3割になった。金が無くては医者にもかかれない。そのための民間保険料も含めれば社会保険料負担はさらに増える。

そして、年金は逃げ水のようだ。「公的年金等控除の縮小」(2005年)等でわずかな年金にも増税され、支給開始年齢や支給額の将来も定かでない。

最後の自民党首相の麻生さんが「中福祉・中負担国家」をめざすと言ったが、すでに高負担・低福祉というのが実態だ。しかも、セーフティネットは穴だらけで、一度こけたら這いあがれない「すべり台社会」(湯浅誠さん)だ。

10月1日から臨時国会が始まった。主権者は国民であり、法人ではない。高負担・低福祉、不安だらけの「すべり台社会」にあえぐ国民の暮らしの改善を焦点とした議論を切に期待したい。

しかし、高負担にあえぐ国民を尻目に「消費税を含め税制全体の議論を進めたい」という所信表明演説であり、「国民目線」(蓮舫行政刷新担当大臣)を理由に人勧を上回る削減を主張する閣僚発言だ。「菅内閣は消費税を上げる小泉内閣」とあの竹中平蔵氏が評している、というような記事をネットで目にした。「うまい表現をする」と感心してしまった。他力本願ではダメなのである。言うべき時に言い、立ち上がるべき時に立ち上がるしかなさそうだ。

途絶えて久しい市従労働学校を再開することになった。講師の話を聞きながら、高負担・低福祉国家、日本の明日を考えてみたい。

「横浜市従」第1256号(2010年10月15付)より

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