2008年3月15日(土曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

性犯罪と女性の人権

 また事件が起きてしまった。
 2月10日、沖縄の米海兵隊員が女子中学生に性暴力を働くという許されないことが起きた。
 それにさらに追い打ちをかけたのが中田市長だ。16日の日本テレビで「やった方が悪いが、声をかけられてついて行っちゃいけないですよね」と被害者を非難した。さらに20日の定例記者会見で記者の質問に答えて「再発防止を議論する中では、やはりついて行ってはいけない」「ついて行かないように教育しないといけない」と強調。被害者に落ち度はない、絶対に言ってはいけないことだ。

 29日心配が現実になった。「そっとしてほしい」と少女が告訴を取り下げ、米兵は不起訴処分になった。犯罪者が処罰されなければ再発防止から遠のいてしまう。

 性的事件の被害者は、しばしば「自己責任」を求められる。今回のように「ついて行くから悪い」、痴漢やセクシュアルハラスメントでも「肌を露出した服装」が問題にされる。さらに事件について心ないことを言われ、裁判となれば警察や裁判所で「忘れたいこと」について何度も正確に話して「セカンドレイプ」にも立ち向かわなければならない。
 再発防止を言うなら、なぜ被害者を守る立場に立たないのだろうか。性的な被害にあった女性がどれほどの心の痛みに耐えているか、推し量る気持ちがひとかけらも感じられない。これは中田市長の市政運営の手法に共通するものがある。

 再発防止を教育にすり替えるのも問題だ。米軍基地がある限り事件はなくならない。池子の米軍住宅増設で横浜でも米兵と接触する機会が増えることは確実だ。遠い沖縄の問題ではなく、横浜の問題でもあることを忘れてはいけない。

「横浜市従」第1202号(2008年3月15日)より

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