2010年12月1日(水曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

自由を貫き、気骨示す

♪窓は夜露に濡れて 都すでに遠のく 北へ帰る旅人ひとり なみだ流れてやまず♪

小林旭の持ち歌の“北帰行”の1節です。アルコールが入り、大脳皮質がマヒしてくると、口ずさみたくなる私の十八番の1つです。この歌が旧制高校の寮歌であったことを知る人は、少ないのではないでしょうか。私は以前加藤登紀子のLP(古いねぇ!)に入っていたライナーノートで知りました。

11月12日の朝日新聞の朝刊に別刷り版が入っていて、手に取ってみると"北帰行"と作詞・作曲者である宇田博の特集が組まれていました。久しぶりに中身の濃い読みごたえのある文章に出会いました。もちろん、一気に読み下しました。読み終えて“北帰行”を口ずさみながら、何気なく執筆した記者の名前を見ると、伊藤千尋とありました。

11月に3回にわたって開かれた市従労働学校の第1回の講師の伊藤記者その人です。あまりのタイミングの良さに驚きました。「今、自分は朝日新聞で冷やメシを食わされている」と明るく語った人が書いた記事だったのです。

自由を貫き、気骨を示した宇田博の記事を、自由な信念を持ち、気骨を示している(と講義では感じられた)伊藤記者が取材し、書いたのは、当然ではないでしょうか。

講義の中で伊藤さんは、日本とヨーロッパのマスコミを比較して、何でNHKを始め日本のマスコミは政府・国の圧力に弱いのか。

同じような形態をとるイギリスの新聞やBBCは、なぜ国や政府の圧力に屈しないのか。それは読者や視聴者が、良い記事、良い番組にはすぐ賛辞をおくり、バックアップしてくれるからだ、と話していました。

講義後に伊藤さんに、では新聞社などにはどのような方法で記者を讃えれば良いかと尋ねると、メールなどインターネットで送るのがベストとの答えが返ってきました。私も実践することにしました。このコラムを読んだあなた、もし気に入った記事なり番組があったら、どしどしメールするようにしてください。当然、反対のケースでも同じです。

「横浜市従」第1259号(2010年12月1日付)より

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