第43回「あたしも びょうきに なりたいな!」
あたしも びょうきに なりたいな!
作・フランツ・ブランデンベルグ
絵・アリキ・ブランデンベルグ
偕成社
黄砂、花粉の飛散、何がいけなかったのか弱ったところで風邪をひいてしまいました。それだけなら許せるけど、中耳炎になり洗顔するのも耳に響いてうっとうしいこと!
あぁ、あの時無理しなければよかった、と悔やんでもあとの祭り。
保育士時代は熱を出しても頑張れたのに(決して良いことではありません)…。
病気、で連想するのは憂鬱、不自由、不快etc。感じ方は人それぞれですが、どうしてもマイナスイメージですよね。
でも、きょうの絵本は、その病気になりたいおんなの子、エリザベスのお話です。
《エドワードがびょうきになりました。おかあさんは、ごはんをベッドに はこんでくれました》
お父さんは冷たいタオルを当ててくれるし、おばあちゃんは本を読んでくれるし、おじさんおばさんからはお見舞いの電話がかかってくる。それなのにあたしは、何でも全部自分でやり、学校へ行きピアノの練習もお手伝いも…。
《あたしも びょうきになりたいなあ!》
すると数日後、ほんとうに病気になってしまいます。
家族はエドワードと同じように、手当や気遣いをしてくれます。
それでもみんなが元気に動いているのを羨ましいと思うエリザベス。
エドワードが、きょう1日どんなことをして過ごしたかを話してくれます。
それは元気な時エリザベスが面倒と思ったことばかり。そこで
《ずるいなぁ、もう! エドワードばっかり いろんなことができて》
ブランデンベルグ夫妻には2人のお子さんがいて、この本が生まれた76年(日本では83年出版)ころのエピソードだったのかしら。
アリキの絵は、見過ごしてしまいそうな物がさりげなく描かれています。
たとえば、毎日おでこのタオルの柄が違っていたり、おばあちゃんの読んでくれる本。場面ごとに発見があります。それよりなにより、ムキになってピアノを弾く、いやいやカメの世話をする、熱に浮かされているなどのエリザベスの表情が可愛いんです。仔猫、というのを忘れてしまいます。
回復して「いやだったこと」を楽しんでいるエリザベスのように、私も治ったら前向きになるぞ!
「横浜市従」第1202号(2008年3月15日)より




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