2011年2月15日(火曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

「子ども・子育て新システム」のねらいは?

政府が通常国会に法案を提出し、2013年から実施しようとしている「子ども・子育て新システム」ですが、内容や制度設計は不透明で政府案も二転三転しています。現在でも保育所が足りずに、待機児童がたくさんいる時に制度を変えるねらいは一体どこにあるのでしょうか。

「新システム」では、子ども・子育て関連の国庫補助負担金・労使拠出金等からなる財源を一本化し市町村に交付する仕組みが導入され、これまで幼稚園や保育所に直接交付されていた公的な財政支援は原則としてなくし、すべて保護者への個人給付とする方向です。

また、幼保を一体化し、「こども園」とし、学校法人、社会福祉法人、株式会社、NPOなど多様な事業主体の参入を可能としています。

現在、児童福祉法に明記されている市町村の保育実施義務はなくなり、自治体は必要保育時間を認定し、その認定に基づいて保護者が園に直接入所を申し込む直接契約方式になります。保育所の収入は、子どもの数と保育時間に応じた「保育サービス」の売り上げのみになり、保育所運営の不安定化やさまざまな時間の利用者が混在することにより、子どもたちの安定した保育も困難になります。

また、認定された保育時間以上の利用には別途料金が加算され、利用者の負担増も懸念されます。待機児童対策をいうのであれば、保育所を整備すればいいのであって、わざわざ仕組みを変える必要はありません。保育を新たな市場として確保したいという財界の意向が見え隠れする「新システム」に疑問と強い憤りを覚えます。

日本の保育に関わる公的支出も子どもを守る基準も世界的にみて最低水準です。どんな家庭に生まれても子どもたちが等しく健やかに育つ権利を保障するためには「子ども・子育て新システム」ではなく、現行の公的保育制度の拡充を求めていきましょう。

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