2011年5月15日(日曜日)[ たばこ病のない世界を・・・ ]

【第14回】東京高裁での新たな闘い(6)

4点の争点整理に入る

高裁第5回裁判は次の4点で争点を整理することになりました。
1 喫煙の健康影響
2 たばこの依存性
3 日本たばこの責任を基礎付ける事情
4 喫煙とタバコ病の因果関係

片山弁護団長の陳述は、「JTがたばこ製造・販売会社としてもっている有害性の認識や依存性の理解、又喫煙を続ければどうなるか、その予見責任がある点では世界のタバコ会社と異ならない。喫煙者の健康を守るために当然同じような警告表示が行われるべきであった。にもかかわらずタバコの安全性を強調し、警告の意味を成さないものであった」という事実を追及しました。

争点の1も2も、1964年アメリカ政府公衆衛生総監の公式発表以来世界のタバコ業界では当然の認識になっています。

特に依存については93年WHO専門委員会は69年の定義を発展させました。JTの「身体依存と精神依存」にプラスして「自分にはタバコがなくてはならない」と思うようになってくることを認知のゆがみとして捕らえるように依存の概念を広げたことです。

反論不能に陥ったJT

反論の余地さえない状況に陥ったJTはどんな主張をしているのでしょうか。あらためて今回裁判所に提出した文書から見てみましょう。“確かにタバコ煙中には、各種の発がん物質が含まれているが、我々は、日常生活のほとんどすべての場面で、発がん物質を含む有害な化学物質に曝(さら)されているといえる。しかしそれだからといって、発がん物質に曝露されれば、それだけでがんが発生するというような単純なものではない。以下略”ので「喫煙が肺がんの原因であると断定できる状況にない」
“肺疾患の既往、大気汚染、職業、感染など喫煙以外にもさまざまな要因が指摘されている。喫煙が肺気腫の原因であると断定できない”(肺気腫そのものは感染しない-筆者注)
このように東京タバコ裁判以来の主張を繰り返しています。
喫煙と肺がん、肺気腫の関係を誤魔化し、なんとか責任回避したいのでしょう。

日本たばこの責任を基礎付ける事情

これは今回の裁判でもっとも決定的な争点になってきました。

①タバコの性質
②たばこの危険性についての予見義務
③被控訴人日本たばこらの高度な結果回避義務
④日本たばこが取るべき結果回避措置
⑤タバコの注意表示
⑥日本たばこの認識及び行動
⑦「4つの事情」と違法性評価
⑧憲法違反等

次回はJTのピンチです。

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