2011年5月15日(日曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

原発推進派の居直りと巻き返し許さず

自民党内の原発推進派議員が福島第1原発事故最中の4月5日に「エネルギー政策合同会議」を立ち上げた。元経産相で委員長に就任した甘利明氏は「我々は市民活動家ではない。膨大なコストや不安定性を覆い隠し『自然エネルギーで何とかなる』というのは無責任だ。現実問題として原子力を無くすわけにはいかない」(5月5日付朝日新聞)と脱原発を非現実的だと攻撃している。

しかし、膨大なコストや不安定性を覆い隠してきたのが原発の歴史であり、改めてそれをあらわにしたのが今回の大震災ではないのか。また、自然エネルギーで何とかなることに関しては、ジャーナリストの伊藤千尋さんが次のように書いている。

日本と同じ火山国のアイスランド、日本と同じ平和憲法を持つコスタリカでは、地熱発電と水力発電でほとんどの電力がまかなわれている。しかも、地熱発電の技術は日本製だ、と。他にも、オーストリアのバイオマス発電やデンマークの風力発電が、国民の支持と共感を得て、かつ、雇用創出にもつながっていることをNHKニュースウォッチ9が報じていた。議員といえば海外視察を連想するが、肝心な視察は脇に置いているとしか思えない。

「事故を防ぎ得なかった責任は東電と共に、原発推進を国策として進めてきた政府にもある」として菅首相は謝罪し、首相給与を6月から返上すると表明した。

甘利氏も原発推進を東電と共に国策として進めてきた政府の一員だったはずだ。謝罪もせず、給与の返上もせず、自己責任を問うこともせず、原発事故を国=国民の責任として電気料金値上げや消費税増税を目論む政治家に脱原発を無責任だと攻撃する資格はないだろう。

広島、長崎、第5福竜丸、そして福島。仏の顔も3度までを超えて原子力に翻弄され続ける民となってしまった日本。米国の核の傘と原発への依存から抜け出す運動と世論を広げようではありませんか。

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