2011年5月4日(水曜日)[ トピックス ]

憲法改悪を許さない県民の集い「お化けより憲法」

憲法記念日の5月3日、恒例の『憲法改悪を許さない県民の集い』が神奈川公会堂で開かれました。浅井基文さん(外務省出身、広島市大広島平和研究所所長)が〝北東アジア情勢と抑止力論、日本国憲法の視点から〟と題して講演。以下は講演要旨。

抑止力とは、核兵器の出現により登場した概念であり、「反撃能力」と「やられたらやり返す報復意思」が相手に認識されることが必要条件である。

社民党党首の福嶋さんが「憲法こそ最大の抑止力」と言っているが、憲法には「反撃能力」も「報復意思」もない。言わんとする意味は分かるが別次元の話として理解すべきだ。

鳩山前首相は「学べば学ぶほど米軍海兵隊は抑止力として必要」と言った。しかし、海兵隊は殴りこみ部隊。反撃どころか先制攻撃部隊を「抑止力」というのは大きな間違いだ。何を学んだのだろうか?「北朝鮮脅威」論を振りまいて軍拡が正当化されている。

脅威とは、攻撃する能力と意思を兼ね備えたものだ。東日本大震災で、政府は20数万人の自衛隊のうち約10万人を震災で出動させたが、この機に乗じて日本に攻め込む国はない、のが現実だ。

攻撃する能力も意思もない国を脅威と呼ぶのは、お化けはこわい、というのと同じだ。

地球と人類を破滅させる核戦争に勝者はない。勝つか負けるかという戦争に対する伝統的な考え方では対応できない時代に入っている。

また、弱肉強食の国際関係から、人権の尊重を基準とする国際関係が大きな流れになっている。ミャンマーなど人間の尊厳を認めないような国は、国際的な市民権を得られない状況が広がっているのが21世紀だ。

東日本大震災は世界経済の相互依存関係の深まりを示し、地球温暖化対策も世界の連帯なくして進まない。地球温暖化対策には世界の軍事費に匹敵する費用が要るとされている。

原爆、核兵器のマイナスイメージを払拭するために開発されたのが原発。その原発がとんでもない事態を引起しているのが今回の大震災だ。被災者の我慢強さのみがもっぱら報道されているが、憲法をないがしろにし、軍拡や原発を正当化してきた政治に、日本国民は怒るべきだ。

国の進路に関わる「抑止力」という言葉をファジーに使うべきではないことを知るとともに、「お化けは怖い」の軍事的「抑止力」より、別次元の「抑止力」とされる憲法こそ現実的な「抑止力」ではないのか、と改めて考えさせてくれる講演でした。

講演する浅井さん、用意された資料が足りなくなる盛況でした。

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