2011年6月15日(水曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

新基地建設費を震災復興に

事態収拾にあたる東電社員らが被曝限度を超えるなど福島第1原発事故の被害が深刻化する最中の13日、北沢防衛相が仲井真沖縄県知事を訪問。

日米合意に基づく名護市辺野古への新基地建設を伝えるだけでなく、米軍が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間基地への配備を来年度から予定していることを告げた。

これに対し仲井真知事は「両政府で決めても、県民や地域住民の納得がないと事実上進めることはできない。まことに遺憾だ」と強く批判。

安里宜野湾市長も「世界で最も危険な飛行場に、危険性を助長するオスプレイ配備は言語道断だ」として市民らと座り込み行動で抗議するなど反発が広がっている。

新基地は米軍の意向に従い辺野古沖にV字型の滑走路が2本だという。06年の政府試算による建設費は約4千億円とされるが、普天間からの移転費用なども含めどこまで膨らむのであろうか。

巨大地震と大津波で壊滅した三陸海岸の漁港の復興が求められている時に、巨額の税金を使い、自然環境を破壊し、主権者である地元住民の意向にも反する新基地建設を口にする政府の品格を疑う。

基地と原発。いずれも国策として推進されてきた。迷惑料や懐柔料として多額の税金(交付金)が用意され、国策に従うことを住民と自治体に強いてきた。その結果が、沖縄における一連の選挙結果であり、福島原発事故なのである。

「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」と憲法前文は謳う。

主権者である住民が被害に苦しみ、主権者でもない米軍や東電がその福利を享受する構図は似非の国策と言うしかないだろう。

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