2011年6月15日(水曜日)[ たばこ病のない世界を・・・ ]

【第15回】東京高裁での新たな闘い(7)

JTのピンチ

今回の第5回裁判は、JTのピンチが浮き上がってきました。前回も触れましたがそのピンチ振りに焦点を当てたいと思います。

薬事法違反の追及

今回、弁護団が新たに主張に加えたのが薬事法の適用です。これまで食品衛生法については食品でないからと、その規制対象からはずされてきました。したがって600種といわれる添加物についても企業秘密とされてきました。しかし、禁煙外来での医師による禁煙治療が健康保険の対象になり、禁煙パッチなどのニコチン治療薬が薬事法の規制対象になりました。

ニコチンを含む治療薬が薬事法の規制対象になっていながら、ニコチン補給の為のタバコはなぜ除外なのか、理屈が通りません。

08年アメリカ連邦たばこ規制法では、食品医薬品局・FDAの規制を強化するとしました。やがて、薬局で医師の許可や処方がないとタバコが買えなくなるとしたらどうなるのでしょう。

専売公社とJTはタバコを見る国民の目にうろこをはめてきた。

1993年までとしても専売公社・JTのやってきた広告宣伝はうそ、だましの連続で国民がたばこの害に気づく以前の「タバコは吸って当たり前」の思いを抱き続けるようにするものでした。

「贈り物にタバコ」「さーいこう 今日も元気だたばこがうまい」「たばこは動くアクセサリー」こんなことばが毎日のように新聞に載っていたのです。

50年代後半から60年代前半にかけて日本専売公社(85年以降はJT)が国民に与えたタバコのイメージです。

タバコは社会に溶け込み、国民から見て何の違和感もないものとしたのです。男性の8割前後が喫煙者というタバコ天国を築きました。

当時十代の若者、つまり未成年者を圧倒的に喫煙者にしてしまったのも当然な結果です。井上ひさしさん、植木等さんなどがこの世代です。僕達原告もそうです。

その結果が2008年12月22日の朝日新聞「喫煙に起因する死者年間20万人」という報道になりました。

05年段階で日本人の総死亡者百万人の20%を占める異常な事態です。最近受動喫煙の死亡者が年間6千8百人に達していることも明らかになっています。(厚生労働省研究班調べ)。因みに交通事故死者数はここ数年5千~6千人です。

依存症は多くの10代の人間にとっては「タバコ命」になります。「喫煙を責められると」自分がもっとも大切なものだけに、なんとしても守らずにはいられません。普段優しい人が急に怒ったり感情的になります。かくのごとく深く人間の心に食い込むものです。

JTがどんなものを売ってきたか、証拠によって明らかなるのです。

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