2012年2月1日(水曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

1000年先まで見えますか

「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」。言わずと知れた松尾芭蕉『奥の細道』序文の一節です。

昨年3月11日、大地震が発生、大津波が襲い奥の細道をズタズタにしてしまいました。“松島やああ松島や松島や”とうたわれた松島は、その小さな島々が緩衝となって奇跡的に被害は少なくすんだと言われています。正直、今、奥の細道をたどるのはつらい旅になっています。

さらに追い打ちをかけた福島第1原子力発電所の事故。放射能禍は原発所在地だけでなく、周辺地域・海域どころか日本列島全体に及ぶほどの広がりを見せています。風に乗って、波に乗って、とんでもない所でベクレルやらシーベルトという単位の大きな数値が発表されています。まぎれもなく人災であることが余計に腹立たしく感じられます。

放射能に汚染された土や水、農作物、海産物などあらゆるものの処理が全国各地で滞っています。あきれた話ですが、放射能の処理にはとてつもない時間、いな、年月のかかることがわかってきました。10年~40年、とんでもありません。1000年、万年単位ということも伝えられています。何のことはない、“永久に”処理できないということではありませんか。

中国3千年の歴史とか、千年の古都ということばがあります。横浜が開港して150年余り。1000年も先まで私たちの国を破壊しつづけるつもりでしょうか。あまりに軽く、楽観的で無責任な、今のこの国の在りように、科学の力はこれらを少しでも緩めてくれるかもしれませんが、とても待てません。その罪の重さ、深さを再認識すべきでしょう。

原発事故で居住地を追われた住民は、いつになったら本当に故郷に帰れるのでしょうか。安心して暮らせる日本を1日も早く返してほしいと願うばかりです。

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