2012年3月15日(木曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

未曾有の原発震災から1年、脱原発の政治決断こそ

大地震・大津波・原発事故というトリプル災害に見舞われた東日本大震災から1年。

東電は「4月から企業向けを17%程度、家庭向けも7月から10%程度値上げするが、再稼働が進めば値上げは3年間に限定する」と主張。

「54基の原発のうち動いているのはわずか2基。あと2か月ほどですべての原発が止まる非常事態だ。政府は安全が確認できた原発を速やかに再稼働させるよう全力を挙げるべきである」と「読売」社説(3月3日)は政府をけしかけ、野田首相は「政治判断で稼働をお願いせねばならない時は、政府を挙げて自治体の理解を得るべく全力を尽くす」と表明。

原発再稼動へ「電力不足」転じて「電気料金値上げ」をもてあそぶ東電の身勝手、わずか2基の原発が止まることを非常事態という「読売」の見識を疑う。

「運動会で転ぶ子どもたちを見た。外遊びを制限されているためだ」と市従労働学校でジャーナリストの伊藤千尋さんは話した。これこそが非常事態だと思う。将来を担う子どもたちを傷つけて、企業や日本の未来を語ることなどできないだろう。

首都直下地震の確率も高まるなかで、本市でも庁舎等の耐震対策や防災計画の見直しが急務だ。国は原発再稼働を見越し、半径30㎞圏内を対象に地域防災計画の策定を関係自治体に求めている。東海第2原発30㎞圏内約100万人の一斉避難は不可能とする試算を茨城県が公表したが、360万人を越える本市にとって他人ごとではない。隣接する横須賀には海の原発である原子力空母が浮かぶ。原発に絶対安全はありえず、いったんことあれば、処理・処分も貯蔵場所の確保もままならない放射性物質から逃げることさえかなわないのだ。不透明な「政治判断」で原発再稼働に走るのではなく、揺るがぬ「政治決断」で脱原発に踏み切ることこそ求められている。

Copyright (C) 2003 Yokohama City Labor Union. All rights reserved.