2012年10月24日(水曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第11山】大山 1729m「大山VS大山」

「大山」、あなたなら何と読むだろうか。おそらくは「おおやま」だろう。少なくとも神奈川県在住の人の殆ど、東京都在住のかなりの数の人がそう読むに違いない。が、他の地域の人は必ずしもそうではない。

「だいせん」、実はこちらの読みの方がメジャーである。神奈川近隣の人が「おおやま」と読むのは、丹沢山系の大山を指してのことだ。が、これはローカル。全国的には大山とくれば、山陰の雄にして日本百名山である大山(だいせん)を指す。区別のために、所在する鳥取県の旧国名を冠して「伯耆(ほうき)大山」と呼ばれることも多い。本家気取りの大山(だいせん)にしてみればこんな不名誉な話もないだろう。これも首都圏から遠い悲しさ、東京中心主義の影響はこんなところにも表れているわけだ。

「だいせん」なる読みも関東人にはなじみが薄いが、西日本では「山」を「せん」と読む例は多い。中国から漢字が入ってきた時に読みも継承した。何百年にもわたっての導入であるから、ある時代では「さん」と読み、もっと古い時代では「せん」と読んだ。山陰の山は歴史の古さもあって「せん」読みが多いようなのだ。

さて大山(だいせん)は、その実力以上に存在感の大きい山であると言える。標高は東日本なら大したことはないのだが、中国地方では文句なしに高い。中国5県に、大山に対抗できるような山はない。つまり相対的に偉大な山といえる。牛後よりも鶏口だ。アルプスや関東周辺の2千m級の山々に比べ遜色がないどころか、ぐんと抜きんでたイメージがある。

周囲に対抗馬がないだけに、山頂からの展望は抜群で、いかにもお山の大将的な気分に浸れる。下界からの眺めでも秀麗な裾野を引く火山であるし、上部にはドーム状の巨大な山頂部が乗っかり、崩壊を続ける北壁・南壁が圧倒的な迫力で景観を盛り上げる。周囲には豊富なブナの原生林が広がり、野鳥の数も多い。対する大山(おおやま)は、歴史はともかく、地形的には丹沢山地の一前衛。神奈川県人には残念だが、両「大山」の対決は、伯耆大山に軍配を上げざるを得ないだろう。

◆おすすめコース
大山寺―弥山往復(5時間:初級向け)※じゅうぶんに日帰り可能だが、せっかく遠方まで行くのだから、山頂の避難小屋に泊まって、富士山ばりのサンセット・サンライズを堪能したい。

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(上の写真)大山山頂付近の険しい稜線 (クリックすると大きく表示します。)

◆参考地図・ガイド ◎昭文社:山と高原地図53「大山・蒜山高原」

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