2012年11月29日(木曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第13山】浅間山 2568m「登山規制のジレンマ」

浅間山の知名度はニッポンの山の中でもトップクラスだろう。それも噴煙上がる現役の火山として。山頂部からもくもくと上がる白い煙は、軽井沢など周辺の高原一帯の風物詩でもある。

ところが浅間の噴煙と言っても、常に同じ量で噴き上げているわけではない。火山活動は2・3年、あるいは10年以上の周期で盛んになったり落ち着いたりを繰り返してきた。山麓一帯の経済活動その他に影響を及ぼしてきたのはもちろんだが、登山者にとっても悩ましい課題を突き付け続けてきたのが、火山活動の強弱なのである。

浅間の最高地点は釜山というピークだが、この山頂にはもう何十年も立つことができないでいる。73年の噴火以来、規制ができて山頂への立ち入りが禁じられているためだ。では、規制レベルと登山可能エリアの関係はどうなっているのか?

【レベル0・長期にわたって活動の兆候がない】→これなら全域で登山OKなのだが、この40年間解除されたためしがない。

【レベル1・平穏】→中央部にほど近い前掛山まで登れる。釜山より44m低いだけなので「山頂を極めた」達成感は十分得られる。

【レベル2・火口周辺規制】→外輪山の黒斑山までしか登れない。150m以上も低い上、ここから見る本峰は別の山の観があり、残念ながら「浅間を極めた」実感には程遠い。

【レベル3・入山規制】→浅間山全域にわたって登山不可。これなら却ってあきらめもつくか?

まさに浅間登山の現代史は、噴火規制との追いかけっこであることがわかる。実は今でも、こっそり最高峰へ登る違反者もいるらしいが、登山モラル上、許されるものではない。

浅間山が最も美しいのは冬だろう。新雪の描く美しい縞模様、しっかり積もった後での純白のドーム共に凛とした美しさがある。が、これも度重なる噴火による降下物のために植生がないがゆえ。最高峰に「登りたいのはやまやま」だ。今は登山できない代償として、絶品の冬景色を楽しめることで良しとしよう。

◆おすすめコース
天狗温泉-火山館-前掛山(6時間:中級向け)※今はレベル1なので前掛山まで登れるチャンス。いつ規制が上がるとも限らないので登山はお早めに!?

1322-1

(上の写真)前掛山の頂上直下にて (クリックすると大きく表示します。)

◆参考地図・ガイド ◎昭文社:山と高原地図19「浅間山・軽井沢」

Copyright (C) 2003 Yokohama City Labor Union. All rights reserved.