2013年1月1日(火曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第16山】大楠山241m「十倍の大パノラマ」

三浦半島の最高峰、それが大楠山である。標高僅かに241m。ランドマークタワーよりも低い。かつて昭和の頃は242mだったのが、山頂部の浸食が進んで、ただでさえ小ぶりな山の背丈が1mも縮んでしまったことになる。

しかしこの山は、山頂からの展望の素晴らしさで知られる。旬は空気の澄む真冬。高さ10mほどの鉄製の展望台が設けてあり、螺旋階段を登って最高部に登りついた時の大パノラマには歓声を上げずにはいられない。まず目を引くのが存分に裾野を伸ばした富士山の秀麗な立ち姿。富士の左右に、丹沢・箱根・伊豆・奥多摩の峰々。遠くに目を凝らせば、丹沢の背後に南アルプス、北には男体山など日光連山。眼下には丘陵の織り成す三浦半島の山々。

山岳風景に加えて街の展望、ベイブリッジやランドマークタワー、東京の高層ビル群にスカイツリーも鮮やか。さらに大楠ならではの売りは海が存分に見えることだ。東に東京湾、南に太平洋、西に相模湾、三方を海に囲まれ取り巻く青さが絶景を引き締める格好のアクセントになっている。

山頂には巨大な山名標が立つ。二段書きで「大楠山 標高242.0m(ここの表示は改訂前の古いまま)」と書かれているのだが、この小数点が控えめで各数字の文字間隔がほぼ一緒。そのためか看板を見て「2420m」と早とちりしてしまう人がいるのである。ある程度山を知っている人なら二千mを超す標高とはどういうものかわかっているからこんな勘違いは起こさないのだが、山の初心者なら結構ありうる間違いなのだ。単に山に無知というより、ある種の錯覚を大楠山は惹起させるのである。展望が広大で海に囲まれ、周囲に遮るものがないため実体以上の高度感を感じてしまう。山慣れした人でも予備知識なしにいきなり山頂に連れてこられれば二千mはともかく、標高千m位と言われれば納得してしまうだろう。

展望ばかりではない、山頂から一段下がった肩の広場には初秋にコスモス、春には菜の花が咲き乱れる。標高は低いが、付加価値の高い「近くて良き山」、それが大楠山なのである。

◆おすすめコース
大楠山登山口バス停-阿部倉温泉-大楠山-大楠芦名口バス停(二時間:初級向け)※葉山の内陸部から、最後は三浦西海岸へ。

1326-241

(上の写真)大楠山頂から富士・丹沢方面の大パノラマ(クリックすると大きく表示します。)

◆参考地図・ガイド ◎東京新聞「湘南・三浦半島、山から海への半日ハイク」 ◎昭文社「都市地図・横須賀市」

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