2013年6月2日(日曜日)[ トピックス ]

「恐るべき低処遇長時間労働のもとでの運動と自治体の課題とは-後藤氏が講演」 第15回横浜市民自治研究集会

1342-3第15回横浜市民自治研究集会「明日のヨコハマを考えるつどい」が、6月1日神奈川公会堂で開催されました。

「待ったなし まともな仕事とくらし わたしたちの運動と自治体の課題」と題して、都留文科大学名誉教授・後藤道夫氏が講演を行いました。

後藤氏はまず、本格的な「高失業時代」が到来し、日本の労働者がおかれている恐るべき低処遇長時間労働の実態について解明しました。

第1に、雇用保険を受けていない失業者が急増している実態がある。第2に、統計上失業とならない非正規雇用・パートなどの労働者の中で、正規雇用や長い時間働きたいと希望している人たちが急増している。こうして若者と中堅世代での、非正規雇用労働者と無業の増大が顕著である。

次に、働いている人の中で、驚くべき低処遇(劣悪な労働条件)と長時間労働が蔓延している。

こうして、使い捨て型の無制約労働にさらされている正規労働者と半失業・低処遇の非正規労働者がメダルの裏表のように存在してかつその数が増大している。正規労働にはルールなしという意識が、企業にも労働者の中にも常識化している実態がある。これが、「ブラック企業」「うつ病」が蔓延し、長時間労働から逃れるために転職を希望する人が、低収入を理由に転職を希望する人と同数になりつつある。

最低生活保障の制度である生活保護制度の実態

日本では、生活保護制度以外に最低生活を保障する制度はない。最低賃金制度は、生活保護以下であり、同様に老齢年金、雇用保険、児童手当、などどれも低水準である。しかも医療費は高く、受診を控える傾向が強まっている。

このように唯一の最低生活保障の制度であるのが生活保護だが、生活保護を受けることは、「特別のこと」であり「人生の落伍者」となることだ。したがって、これを受けずに「我慢する」ことを常識として、日本人は意識の中に刷り込まれてきた。今日の貧困の広がりは、自分とは「無関係」と思っていた生活保護が、「無関係」ではなくなってきたことを自覚させるものだが、一方では不安と動揺があり、一部のマスコミ報道にあおられて、生活保護バッシングにエールを送る意識が醸成されてきた。生活保護は、「特別な」弱者への「特別な」保護ではなくて当たり前の最低生活保障制度であるということを常識化することが必要である。反貧困の運動によって受給者が急増している。これに対して政府支配層は反撃に出た。これが、今回の生活保護バッシングであり、生活保護基準の引き下げだ。

自治体と運動の課題

自治体の課題としては、就学援助制度、保育料、国保の減免基準など、生活保護基準をもとに定められている各種の制度の多くは、自治体が決めることができる。自治体の役割は大きい。

各分野の運動体は自治体に対する運動を強めるべきだ。その際、ばらばらではなく、「改悪阻止の一括条例」制定を課題としたらどうか。そして獲得目標として、1.生活保護を申請しやすくする 2.就学援助、学校給食など子育て世帯の援助 3.低所得者の受診抑制をなくすために (1)高校生以下は無条件で短期証を交付する (2)国保の減免制度 (3)無料定額診療施設の拡大 などを提起し講演を締めくくりました。
午後は4カ所に分かれて分科会が行われました。

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