2008年6月1日(日曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

小林多喜二「蟹工船」がベストセラー

 5月24日25日の土日、仙台市内で第16回パート臨時派遣で働くなかまの全国交流集会が開催された。主催は全労連パート臨時労組連絡会。同連絡会の幹事を引き受けているので、集会要員として参加した。

年収200万円以下の労働者が1千万人を超え、全労働者の3人に1人は非正規労働者、特に女性と青年層では2人に1人が非正規となっているという現実の反映か、集会には北は北海道から南は沖縄まで540人が参加した。

NHKで「ワーキングプア」特集を作ったチーフディレクターの話などもあり、各地の非正規労働者の、人をモノとしてしか扱わない事に対する人間の尊厳をかけた闘いの報告もあった。

「私は公務の職場で派遣労働者として働いて3年になります。しかし短期間で派遣先が変わるので、年休が全くもらえません」「大阪の橋下知事は来年3月末で私たち公立高校の臨時職員4百人余を全員首切る予定です。私たちがいなくなれば、実習の準備とか、資料の作成とか授業に必要なすべては教員がやることになり、そのしわ寄せは生徒に向かうのは明らかです」「派遣先でクレーンが故障し、すべて人力でやらざるを得なくなりました。早く修理をしてくれるよう派遣先の職場マネージャーに申し入れたら、派遣のくせに生意気だと言うことで、出社に及ばずとなり、派遣元からも解雇されました。今労働審判委員会に申し立てて闘っています」こんな話がどんどん出てくる。賃金引き上げ以前の問題が次から次へと出てくるのだ。

 特高警察に虐殺された戦前のプロレタリア作家小林多喜二の名作「蟹工船」がブームだという。過酷で悲惨な蟹工船での労働と漁夫たちの闘いの話が現代の若者に共感を呼んでいるらしい。派遣労働者の話に通ずるものを痛感する。

 経済のグローバル化とか構造改革とか規制緩和とか、様々な用語がこの間マスコミを賑わした。国民が熱中した小泉改革の結末が今多くの国民の前に明らかになりつつある。そしてその中で、もがき苦しみながらなんとか現状を変えようとがんばっている労働者が全国に生まれつつあるということを実感できた集会であった。

 24日には横浜市民団体連絡会が主催し、後期高齢者医療制度問題の学習会と横浜駅西口街頭署名行動も行われた。こちらの方は27人が参加し、学習を深めた上で市民の中に打って出たのだが、1時間足らずの間に160筆の署名とカンパ2千円が寄せられたという。演説を聞いて近寄ってきてすぐ署名する市民が多かったという。ここでも怒りが沸点に達しつつあるようだ。ちなみに市民団体連絡会はさらに輪を大きくして7月16日にシンポジウムを開催すべく準備を始めた。

 政治は変えられる。そのことに確信を持つ国民が少しづつ増えている。市民生活を守り発展させる役割も持つ自治体労働組合として、そうした闘いの重要な一翼を担いたいと思う。

「横浜市従」第1207号(2008年6月1日)より

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