2013年10月4日(金曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第32山】宮之浦岳1936m・永田岳1886m「屋久島の山兄弟」

屋久島の面積は約505平方キロメートル。東京都の区部より小さく、横浜市より2割弱大きい。その面積を狭いとみるか広いと見るかは各人の感性によるだろうが、一度でも屋久島に行ったことのある方なら「横浜よりちょっと大きいだけ?そんなに狭いの?」と思うに違いない。2千m近い山々が数多くひしめき合い、多くの渓谷が無数の滝を掛け、入り組んだ尾根と谷をびっしりと埋め尽くす樹林の深さ・大きさ。横浜市は起伏は多いながらも全体で見れば平面的なのに対し、屋久島は実に立体的である。二次元と三次元の違いといってもいい。二次元よりは三次元の方が圧倒的に情報量が多い。横浜と屋久島の実体面積以上に感じる大きさの違いは、立体度の多少が加味されているのだろう。

さて、屋久島の最高峰は日本百名山にも選定されている宮之浦岳である。1936mの標高は屋久島のみならず九州本島の諸峰をも上回り、広く近畿以西の西日本全体でも№3を誇る。洋上アルプスとも呼ばれ、ニッポンの他の山では見られないムードなどから、最果てにもかかわらず人気は高く、シーズンの休日など山頂は大盛況である。

山頂からの眺めも雄大だが、島の山であるのに、そびえ立つ山々の陰に隠れて海岸線が殆ど見えない。もちろんはるか遠くに海は見えるのだが、波打ち際が見えないと「島の山」の実感が湧いてこないのである。山また山で、内地の奥深い山中にいるような錯覚も覚えてしまう。

そんな山の眺めで最も人目を引くのが、屋久島の№2・永田岳だ。宮之浦岳がどちらかというと大人しい山容であるのに対し、永田岳は花崗岩の大岩肌を何本も露出させ派手なパフォーマンスで見る者に迫ってくる。実際登ってみても奇岩累々で実に楽しいのだが、往復の労力を敬遠してか足を伸ばす人は少なく、静かな山旅が味わえる。

宮之浦岳が草食系なら、永田岳は肉食系そのまま。長男坊がおっとりしていて次男坊が効かん坊なのは、山の世界でも当てはまることが多い。自然法則を超越した、万物に普遍的な原理なのであろうか。

◆おすすめコース
淀川口-淀川小屋(泊)-宮之浦岳-永田岳-新高塚小屋(泊)-縄文杉-荒川口(13時間:中級向け)※宮之浦岳のみなら淀川口から日帰りピストンできる。

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屋久島の次男坊・永田岳の威容(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎昭文社:山と高原地図59「屋久島」

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