2013年12月19日(木曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第37山】三国山1,541m「ニッポン唯一の特異点」

ニッポンを挟む二つの海、太平洋と日本海。あらゆる川はそのどちらかに流れ下るはずである。ところがある一点で水を流すと、そこを境に片方は日本海へ、もう片方は太平洋へと流れ下るポイントがあり、日本列島の中央部にただ一本の線となって連なっている。大概は山脈の上にあるので、「中央分水嶺」と呼ばれている。

さて、ニッポンには日本海・太平洋の他にもうひとつ大きな外洋がある。オホーツク海だ。海洋の占める面積では日本海よりも大きい。当然ながら北海道専属なのだが、それゆえに北海道だけは太平洋・日本海・オホーツク海の三海に接していることになる。では、ここからようやく本題。二海に流れる拠点は線となって連なるが、三海を同時に満たす条件となると、これは点となってしまう。つまり北海道で、いやニッポン国で、三海へ水が流れるポイントはただ一箇所しかない。それが北海道のヘソ、大雪山系に属する三国山なのである。

地図上で調べてみると、厳密には三国山のすぐ西隣にある標高のほぼ同じピークが三海の分水点なのだが、まずもって三国山を特異点とみなしていいだろう。格別有名なピークではない。整備された登山ルートもない。北海道の国道の最高地点である三国トンネルの脇から登ることになるのだが、道標がないので地形図のみが頼りだ。初めは水の少ない沢沿いを辿るが、稜線に出るとがぜん展望が開けてくる。ほどなく山頂に到達する。笹ヤブが僅かに開け「北海道大分水点」の標識がひっそりと立つだけの素朴で平凡なピークである。が、まさにここの只一点こそニッポン中で唯一の特異点なのだ。その点上に降った雨水は、僅か数㎝の差で、ある一滴は十勝川に合流して太平洋へ、別の一滴は石狩川となって日本海へ、他の一滴は常呂川に至りオホーツク海へと流れ下るのである。

三国山本峰は目の前に見えており歩いても10分ほどで到達する。眺めはこちらの方がいい。果てなく広がる道央の山々、そして足元から延びる三本の山脈が合わさって大分水点を成していることが手に取るようにわかるだろう。

◆おすすめコース
三国トンネル-大分水点ピーク-三国山(往復3時間:中級向け)※初め沢沿いだが降雨直後でない限りは普通の登山靴で十分だ。

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特異点で水を流してみる(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎国土地理院2万5千分の1地形図「石北峠」

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