2014年2月6日(木曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第39山】魔子(まこ) 1,700m「美少女と怪人」

かなり昔のことだが、「魔法のマコちゃん」というテレビアニメがあった。人魚姫が丘に上がって、恋愛その他の人間ドラマを繰り広げるといった内容のように記憶している。

山梨県の北西端、奥秩父の前衛にズバリ「魔子」という山がある。魔子山でも魔子ヶ岳でもない。たった2文字で魔子。怪しげな美少女伝説でもあるのかと思いきや、魔子爺なる巨大な怪人が棲みついていて、里に下りては悪さをしたらしい。とまあ、そんな散々な伝説にちなむ山名だ。

場所的には金峰山や瑞牆山など、奥秩父有数の百名山登山の起点となる瑞牆山荘前が出発点となる。広大な無料駐車場もあるが、ここに来る人の99%以上は間違いなく、金峰・瑞牆へ向かう。そちらとは反対側の魔子へ登る人など、周囲の著名峰にはあらかた登り尽くした地元の人くらいのものではないか。

標高は丹沢山よりも高いが、登山口からして高いので、山頂までの標高差は200mもなく、30分足らずで山頂に着く。山頂は瑞牆山の絶好の展望台で、怪奇極まる累々とした岩峰群を眺めるのに、これほど絶好のポジションに付けている山も無い。ただし、さすがに登山口からの往復だけでは物足りない。幸いにして一周3時間ほどの周回路が付いているので、そちらを回ると良い、いや是非とも回るべきだ。

一帯はどこまでも続くカラマツ林が絶品。たいしたアップダウンもなく逍遥感覚で森の探索が楽しめる。瑞牆山がさらによく見える展望ピークや、例の魔子爺が棲んでいたという人穴がある。入口は狭く柵もあるが、奥は人が立てるほど広いという。穴全体も複雑で、さらに長い横穴があってベッドになるし、天に通じる竪穴は焚火をした時の煙突代わりになるとのこと。いやはや魔子爺さん、なかなか快適な洞窟ライフを楽しんでいたに違いない。

森はなおも続く。葉を落とした時期は梢から透けて見える山の眺めがいいが、紅葉や新緑の頃はさらに絶品だ。もっさりとした山全体のスタイルは魔子爺チックだが、垢抜けて伸びやかな森林はスラリとしたマコちゃんに通じるものがある。二極のムードを併せ楽しめることも売りとしておこう。

◆おすすめコース
瑞牆山荘-魔子-人穴周遊(3時間:初級向け)※道標はあるが道は不明瞭なので、初心者同士は避けた方が良い。

1362-yamayama

展望ピークから見る瑞牆山の威容(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎国土地理院2万5千分の1地形図「瑞牆山」※ただし地図上に登山道や山名の表記はない。ネット情報(『魔子の山』で検索)を付け合せていただきたい。

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