2014年2月18日(火曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第40山】爺爺岳(チャチャヌプリ) 1,822m「登りたいのはやまやま!」

「ニッポン中で、今一番登りたい山は?」と問われれば、ためらうことなくこの山を挙げる。爺爺岳、読みはチャチャヌプリ。アイヌ語起源で北海道の山だろうと察しがつくが、ニッポン中の山を極めたような人でも、この山に登った人など数えるほどしかいないに違いない。それもそのはず、北方領土は国後島の最高峰なのである。

南北に長い国後島の北端にそびえる。ゆったりした裾野を引く富士山型の美しい火山であるが、特徴はなんと言っても絵に描いた様な二重式火山であること。高さ1500m程の富士山型土台の上に、さらに300mほどの小富士が乗っかっている(写真)。二重・三重式火山なら、いくらでもあるけれど、親亀の上に子亀を載せたような洗練されたスタイルという点では、爺爺岳の右に出る山はない。もしも北方領土がロシアに実効支配されていなければ、当然に日本百名山の一員であっただろう。

ご存知のように、北方領土はニッポンのエリアでありながら、異国のような扱いである。それどころか、外国であっても通常は観光目的で大概の所に行けるのに、北方領土については微妙な国際問題が絡むのか自由に渡航ができない。今、爺爺岳に登るには学術目的とか特別な理由がなければ不可なのである。

爺爺岳ばかりではない。国後島よりも大きい択捉島にも1500mを超す火山がいくつか存在する。蛇足ながら、もう完全にニッポンのものではない北千島には、さらに見事な山がゴロゴロしている。中には北海道最高峰の大雪山旭岳より高い山すらあるのだ。それらに登れたらどんなに素晴らしいかと思う反面、その内のいくつかが百名山であったら、全山登頂を志す人には大変なハードルとなっていたに違いない。

国後島というと僻遠のイメージがあるが、ほぼ知床半島と横並びである。一番遠い爺爺岳とて、知床岬からの直線距離は僅かに70㎞ほど。文字通りのお隣さんの山なのだ。が、現実の山頂までの道のりは限りなく長い。それこそ「登りたいのは山々」なのに登れない。このジレンマが解消される時が遠からず来ることを祈るのみである。

◆おすすめコース
今は紹介しようがない。登山道はなく、近年に噴火したこともあって岩や石がグズグズになっていて、実に登りにくいとのこと。

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知床岳から望遠レンズで捉えた爺爺岳(撮影:高野和夫)(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎こちらも何もないがグーグルの航空写真が僅かに参照にはなる

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