2014年3月11日(火曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第41山】森戸川源流エリア「三浦最後の秘境」

森戸川は葉山町を流れる全長10㎞足らずの小河川であるが、源流部は湘南・三浦地区に残された最大の自然エリアである。まずは短いながらも変化に富んだ流程を辿ってみよう。

葉山観光のメッカである森戸神社の脇が河口に当たる。町中ではコンクリート護岸で固められ、まあ風情も何もない。のどかな住宅街を抜けると山間部に入る。ここで関門あり、道路に柵がなされ「立入禁止」の看板が下がる。だが、人は通過できるし、散策やランニングで入っている人は無数にいる。入る入らないは各自の判断に任せるしかないが、もし入るのなら自己責任であり、落石その他に細心の注意を払うべきことは言うまでもない。

ゲートから先、谷は深くえぐれ静寂郷となる。やがて林道が尽きると川は二股に分かれ、その間に尾根が走る。ズバリ中尾根と称されているが、ここが森戸の秀逸といっていい。豊富な自然林の中、アップダウンを繰り返しつつ山道が通う。何より素晴らしいのは山以外には何も見えないこと。里や街と隣り合わせの三浦エリアではここしかない。最後は川の水源に当る乳頭山に至って尾根が終わる。山筋やルートはここから四通している。山頂からは東京湾方面の眺めがいい。

かように良好な原始境でありながら、川から南側は実は某大手住宅会社の私有地なのである。40年以上前に取得したものの、市街化調整区域であるために開発がなされず塩漬けになっていた。その去就が懸念されていたが、ここ数年、地元の自然保護の協議会とタイアップして、人手を加える里山エリアと、全くの自然に任せるエリアとに区分して保護活動を始めたのは吉報といえる。ただし、調整区域というタガが外れればどうなることやら。

同じ三浦半島で、かつては池子エリアと大楠エリアも同クラスの原始境を誇っていたが、池子はご存知の通り米軍住宅建設で、大楠は湘南国際村開発で昔日の面影はない。唯一残されたのがここなのだ。保護保全に必要なのは多くの人に知ってもらうこと。それがひいては無用な開発がなされないよう監視することにつながっていくのだから。

本欄読者の皆様も、是非とも現地探訪を。

◆おすすめコース
森戸海岸-ゲート-中尾根-乳頭山-各方面へ(3時間:初級向け)※立入禁止ゲートを通過せずに済むコースもいくつかある。

1365-1

中尾根上の自然林(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎東京新聞「湘南・三浦半島、山から海への半日ハイク」◎昭文社「都市地図:逗子市・葉山町」※両者のコンビで活用を

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