2014年2月14日(金曜日)[ 見解・資料 ]

2014年度予算案についての見解

市民の暮らしの安全・安心への対応は強調するも、大型開発はさらに拡大、民営化・委託化の推進と行政の責任を自助共助にすりかえる、市民・職員負担増、将来負担増の予算

1月30日林市政二期目最初の予算案(2014年度予算案)が発表されました。
予算規模は、純計(会計間のやり取りを除いた総計)で、2.8%増と4年連続のプラス予算となっています。また今年度同様、安倍内閣の補正予算の影響を受けて、大型公共投資を中心に2013年度2月補正予算分を合わせた15ヶ月予算として編成されています。同時に発表された「新たな中期計画の基本方向」とあわせて、将来への「投資」を強調しインフラ整備・大型公共投資中心の予算編成を正当化する打ち出し方をしています。

1. 14年度予算の概要

林市長二期目の予算編成は、引き続き待機児解消など子育て支援を第一に掲げていますが、同時に発表された「新たな中期計画の基本方向」と重ねた予算案のポイントとて「国際戦略総合特区の推進」といった規制緩和「都市臨海部の魅力向上」「強固な都市インフラの構築」「国際競争力のある港の実現」といった大型公共事業の推進など、安倍政権の進める政治の地方での推進の方向を示したものが多くあります。

また、これまで横浜市は、「横浜方式のプライマリーバランス」を重視し、市債の新規発行を抑制しつつ返済を急ぐことによって、市債残高を減らしてきましたが、13年度に、土地開発公社の解散にかかる新たな負債により、「横浜方式のプライマリーバランス」が崩れると、「計画的な市債活用」として「債務返済指数」という新たな考え方を示しています。今後の検討としていますが、「いくらまで借金できるか」だけではなく、「何に使うための借金か」「市民にとって必要な借金か」の議論のほうがもっと必要ではないでしょうか。

2. 市民の要求に応えた予算案になっているのか

横浜市民意識調査での市政への要望と予算案を見てみると、①地震などの災害対策 ②病院や救急医療など地域医療 ③防犯対策 ④高齢者福祉 ⑤通勤・通学・買い物道路や歩道の整備、がベスト5となっており順位は入れ替わっていますがこの5項目中4項目が5年連続で上位を占めています。1昨年までベスト5に入っていた「高齢者や障がい者が移動しやすい街づくり」は6位でした。新たにベスト10に入ったのは、「最寄り駅周辺の整備」(13位→8位)「商店街の振興」(12位→9位)となっています。また、調査項目の「生活上の心配ごと困っていること」で今年もベスト3の項目は、①自分の病気や老後のこと(45.1%)②家族の健康や生活上の問題(38.7%)③景気や生活費(29.4%)となっており、①②はポイントも大きく上がっています。毎年上位の要望や心配事である高齢者福祉・地域医療に対しての新たな施策は見当たりません。予算は横ばいか削減されているようにしか予算概要からは読み取れません。

予算概要の「はじめに」で、市長は「市民意識調査の結果では、『心配事や困っていることは無い』と答える人が増加するなど明るい兆しが見えています」と述べています、たしかに10.5%から14.3%に上昇していますが、依然として85%以上の市民が「心配事や困っていることがある」ということであり、1位の「自分の病気や老後のこと」は39.7%から45.1%へと増えている状況ですが、特養ホームの整備予算は大幅に減額され、市民の要望の強い、小児医療費助成は進展がありません。横浜以外では当たり前となっている中学校給食の実施について、「中学校昼食の検討」とするなど実現には程遠い状況です。市民意識調査から見えてくるこれらの項目に対する、まさに「市民の命と暮らしを守る」施策への大幅な予算増が「市民の皆様に寄り添う共感と信頼の市政」を進めることになるのではないでしょうか。

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3. 職員定数は

法改正や政策的要素で、増員となる職場も出ていますが、民営化・委託化の推進や業務の集約化による減員により、昨年を上回る71人の削減としています。
業務量の増加や新規事業の人員は民間委託や、嘱託職員の増員により対応し、減員は、業務がなくなり削減したのではなく保育所の民間移管2園、学校給食の民間委託8校、区役所業務の集約化(納税事務の集約化・戸籍課郵送業務の集約化と民間委託)など、業務の担い手を、非正規の嘱託職員や業務委託による不安定雇用の民間労働者に置き換えることをすすめ、「官製ワーキングプア」を生み出し、本来自治体がなすべき公的責任を放棄し、わずかな経費削減と引き換えに業務蓄積や業務継承ができない職場をつくり、安定した雇用対策にも逆行するものです。

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4. 厳しい財政状況をまくらことばに

毎年大幅な事業見直しによる縮減をおこない、業務委託や民間化、嘱託職員の導入による大幅な職員定数の削減と、受益者負担の適正化として公共料金の値上げ等、住民負担増を行なってきました。次年度に向けては、108億円の削減となっています。各種助成金・補助金・委託料の見直しの削減等が、職員や住民の地域活動に及ぼす影響などは不透明な部分もあります。

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5. 直接的に市民要望に応える予算の強化こそ経済活性化・市民の命と暮らしを守ることに

公共事業などの「施設等整備費」が一般会計に占める割合は、13%(対前年度5.7%増)となっていますが2月補正をあわせると(対前年度15.2%増)となり、大型公共事業の増加が顕著です。国庫補助事業より、市の単独事業の比率が大きく、市長の方針が反映しているあらわれでもあります。国際コンテナ戦略港湾・横浜環状道路整備の2つの事業だけでも357億円(+48億円)や事業が開始されれば大きな予算となるエキサイトよこはま22を含む横浜駅周辺のまちづくり事業予算も増加し、さらに新たに計上された「新規ふ頭検討調査」など大型公共事業を一層進めようとしています。財源の性格から公共事業を見直し、その予算をストレートに福祉・医療の充実の施策などにまわすことにはなりませんが、将来市民へ大きな負担となる事業は継続し進めています。エキサイトよこはま22、都心臨海部再生マスタープランなどは防災・エネルギー対策の観点からの街づくりなのでしょうか、せめて計画の段階から十分に市民に説明すべきではないでしょうか。

また、現在検討が進められている「新市庁舎建設」は、現在の市庁舎周辺ビルでの事務スペース確保の状況、安全や非効率性の解消など現行市庁舎の改善・整備は必要と思いますが、北仲通南地区へのビル建設を前提としており、結論ありきで進んでいるのではないでしょうか?オンブズマンから訴訟が起こされ、また市会からの指摘で、当初案から床面積を縮小する方向が検討され高層の階数は変更できない地域であることから各階の面積を減らし細長のビルとなるなど庁舎としては使いにくくなることが明白であり、抜本から再検討しなおすべき状況ではないでしょうか、市民的合意形成をつくる十分な話し合いが必要と思われます。

高齢者の比率が増えていく状況で特別養護老人ホーム(緊急性の高い申込者が1年以内に入所可能という目標でいいのか疑問)・ゼロ予算の市営住宅などの建設も公共事業ですし、強調していますが、予算の少ない地元中小業者に発注する公共事業を増やしていくことこそ、「市民の皆様の生活の安心確保と市内経済の活性化」につながるのではないでしょうか。また、地元雇用の確保・労働者の賃金を保障しワーキングプアをなくするためにも「公契約条例の制定」が必要ではないでしょうか。

予算案の発表に際しては、毎年行っている「市民意識調査」の市民からの要望・市民生活上の不安の解消に対してどのような施策を取ったか、また市債を発行して行う大型公共事業については将来の横浜にどのような経済効果をもたらすのかもっと具体的に説明すべきものと考えます。実質的に政策的に使える予算が減少している中で、強調された施策の影で、市民生活に大きく影響を及ぼす予算の削減が行われていないのかどうか更なる検証が必要となります。各職場から局別の予算を精査・研究していくことが必要です。

また、次年度に向けては同時に発表された「新たな中期計画の基本方向」について3月25日までの意見要望の募集、5月頃「素案の策定」素案へのパブリックコメント9月頃「原案の策定」10月頃「計画策定」のスケジュールが出されています。今後4年間を含む横浜市の政策の方向性に、仕事に、市民生活に大きく影響を与えます。
8項目の重点テーマ・36項目の施策・行政運営・財政運営・新たな大都市制度、それぞれに検討を加え多くの意見を出していく取り組みが必要です。

横浜市従は、引き続き「横浜市で働いてよかった」「横浜市で暮らしてよかった」と思える予算を求めて奮闘していきます。

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