2014年4月21日(月曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第44山】筑波山877m「三位一体の名峰」

日本百名山で最も低い山、それが筑波山である。背が低いというのは、山にとっては決定的なハンディーだ。百名山にまで登り詰めるには、この山ならではの絶対的な個性が必要なはず。いろいろな意味で実にユニークな山なのである。

筑波山は火山ではない。にも拘らず、シルエットは裾野を引くようであり、関東平野の真ん中にポツンと立ちあがっていることもあって火山チックなムードに溢れている。遮るものがないから、江戸の昔からその姿が知られ、西の富士山と並び称せられた。それだけに信仰の対象として繁盛してきた歴史がある。男体・女体の二峰からなり、現代ではケーブルカーとロープウェーが通う。もちろん、山の良さを知るには歩いて登ることだ。

スタートは壮麗な筑波山神社。ケーブルカーに沿うように参道を登る。平野に屹立する山なので、植物の垂直分布による移り変わりを鮮やかに感じることができる。山上ではまずは奥社の建つ男体山を目指す。一旦戻って女体山との鞍部に至る。一帯は広い平地で御幸ヶ原と呼ばれる。ケーブル駅、展望台、土産物店や軽食堂、路上パフォーマンス、それらに群がる大勢の善男善女。下界の縁日の様な光景が展開し山上であることを忘れさせる。

今度は最高峰の女体山へ。独立峰だけに関東平野が一望だ。ロープウェーの終点近くなので男体山よりも人が多い。山頂は押すな押すなの大騒ぎなのだが、岩場なので油断ならない。そこに山慣れない人が群がるのだから事故が多発しそうなものだが、そんな話など、とんと聞かない。山そのものが御神体であることのご利益なのだろうか。

下山道はロープウェー沿いになるが、こちらは自然石等を縁起物などに見立てたモニュメントのオンパレードである。「大仏石」「北斗岩」「母の胎内くぐり」などなど、道中飽きさせない工夫に満ちている。古の人々も、さぞや楽しく登ったに違いない。先人のプロデュース能力には脱帽だ。

下り着けば古くからの宿場町であり温泉も待っている。信仰・観光・登山、この三つが見事なまでにバランスよく融合している点において、筑波山に勝る山はあるまい。三位一体の魅力が、百名山にまで押し上げた要因ではないだろうか。

◆おすすめコース
筑波山神社-男体山-女体山-筑波山神社(4時間:初級向け)

1370-2

女体山から見る男体山(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎昭文社:山と高原地図20「赤城・皇海・筑波」 ◎「筑波山マップ」でネット検索

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