2014年5月21日(水曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第46山】赤城山1828m「登るより遊ぶ山」

上越線や関越道の車中から、長く雄大な裾野を引く大きな火山地形が望まれる。上部が雲やガスに隠れて裾の部分だけが見えているときは、まるでそこに富士山があるかのように錯覚してしまう。それこそが赤城山なのである。

かつては2,500m級の高さがあったと推定されている。長い年月の間に、浸食や噴火に伴う地盤の流動化によって山頂部から崩壊、いくつもの峰に分かれて、今日見るように小型のピークが連なる山地となった。

高さは失われたものの、数多い小型の山に尾根や谷が入り組み、山岳地形として複雑で面白いものとなった。窪みには水が溜まり、山間の水風景を作り上げている。最大の大沼周辺はハイカラな高原湖水風景、小さな火口湖・小沼は赤城の瞳とも呼ばれる水の美しさ、そして沼や湿原がミックスされた覚満淵は尾瀬のミニ版といったところ。

これほどの道具立てが揃っていれば、観光圧力がかからぬわけがない。山奥まで道路が通い、沼にはボートが浮かび、湖畔には土産物屋やキャンプ場が立ち並ぶ。本来の山の大きさや広がり、地形的特徴などからすると、丁度、箱根山を想定できるが、開発のなされようでは雲泥の開きがある。いかに関東周辺とは申せ、大東京から遠い分、過剰な開発は免れたとも言える。自然景観が破綻しない程度に、観光スポットが適度に点在しているわけだ。

赤城山の植物誌で特筆すべきは、なんと言ってもツツジだ。晩春から梅雨入り前後にかけて、山全体のそこかしこを彩ってくれる。淡紫のミツバツツジに始まり、白色のゴヨウツツジ、ピンクのアカヤシオツツジ、淡橙色のヤマツツジ、そしてシーズンのラストを飾るのが派手な朱色で大柄の花びらを持つレンゲツツジ。季節の歩みとともに、多彩な花々が饗宴のように咲き競う中を散策できるのが、赤城山ハイキングの最大の愉しみだろう。

複雑な地形だけに、登山ルートもバラエティー豊富だ。短く手軽に歩けるコースが多いので何度でも通う価値がある。「登る山」というよりも「遊ぶ山」、登山ではなくハイキング、これが赤城の真骨頂なのである。とは言え、山は山。行動は慎重に。

◆おすすめコース
赤城大洞-駒ヶ岳-黒檜岳(赤城最高峰)-北登山口(4時間:初級向け)※他にもルート多数

1373-7

最高峰の黒檜岳と大沼(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎昭文社:山と高原地図20「赤城・皇海・筑波」

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