2015年2月20日(金曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第62山】山田富士、池辺富士、川和富士 72m「都筑の三富士詣で」

江戸時代、集団で富士山に詣でる富士講が盛んに行われていた。講とは在家信者の集まりである。先達に率いられて、富士山への道中が宿などオール込みでセッティングされていて、今なら海外パック旅行のようなものか。ただそれなりにお金が掛かったから、おいそれとは行かれない。そこで郊外に富士山のミニチュアを作って、それを詣でることで済ませる講がいくつも結成されるようになった。かくして富士詣では、貧富を問わず広く庶民に親しまれていたのである。

そんなわけで現代の横浜市域にもいくつものプチ富士山が造られた。なかでも都筑区に現存する3つの富士はなかなかの存在感があって気軽に辿れるお散歩スポットを提供してくれる。

まずはグリーンライン北山田駅すぐ近くの「山田富士」へ。下界からではこんもりした森の丘しか見えないのだが、ルートを登っていくと可愛らしい富士山が現れる。富士型そのものは庭園の築山くらいで小さいが、なかなかよくできている。本物を模して御殿場口と吉田口の登山道があり、山頂には火口に見立てた窪みまでこしらえてあるのは微笑ましい。

つづいてグリーンラインに乗って都筑ふれあいの丘駅で下車。資源循環局工場の南側の畑地帯に忽然と現れるのが池辺富士である。平地の上に出来物のようにわだかまり、植栽がニョキニョキと突き出ている様はなんともユーモラス。東側にちゃんとした参道があり、登り1分余りで山頂に立てる。

最後は畑から街中へと歩いて川和富士へ。三富士の中では最大で、雄大な裾野を引く。実は江戸時代製の山が港北ニュータウン造成で取り壊された代替えである。重機で作られた山体ゆえか些か単調なシルエットなのだが、周囲が開けていて眺望の良さでは三山随一。

どのミニ富士からでも、本家富士山が見えるのはご愛嬌。丹沢山地の後ろに顔を出すご本尊を見つければ、富士山を極めた気分も上がろうというもの。三富士詣でが無事に終了したら、あらためて三山を思い起こしてみよう。マニアックな山田富士、シュールな池辺富士、ビジュアルな川和富士。さて貴方のお気に入りはどれだろうか?

◆おすすめコース
本文の通り(3時間:初級向け)※四季を通じて楽しめる

1398-4

筆者のお気に入りは、この池辺富士(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド◎ネット「都筑富士」などをキーワードにネット検索を掛けると良い。

Copyright (C) 2003 Yokohama City Labor Union. All rights reserved.