2015年3月23日(月曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第64山】六国見山147m「劇的な展望ポジション」

今年もまたお花見シーズンがやってくる。ごく近郊で、お手軽に山上でのお花見ができるスポット……こんな贅沢な望みを満足させてくれる適地のひとつが鎌倉の六国見山である。

六国見山……やや聞き慣れない山名かもしれないが、名刹円覚寺のれっきとした裏山に当たる。北鎌倉駅の寺側の改札口から左へ線路沿いに時計回りに辿って行くと、山あいの住宅地に至る。その外れから整備された山道が始まるが、登ること僅か10分足らずでお目当ての六国見山の一角に至る。展望台に登ってみると、眺めの良さに驚くに違いない。想像以上なのだ。期待を大きく上回るであろうことを約束しよう。

そもそも鎌倉市街地のすぐ裏手にあるごく低い山だから、見える範囲の山も谷も開発され、虫食い状態の無数の家やら各種の人工物やらが目にもうざく散らばっている……かと思いきや、見えるのは波涛のように幾重かに連なる山並みが大半。はるか遠くに鎌倉中心部の町並みが小さくわだかまり、江ノ島の灯台がみえるくらい。山筋と山筋の間は住宅で埋まっているのだろうが、僅かな高度差で山あいに隠れてしまい、死角になって見えにくくなっているのだろう。つまりここのピークは、視覚上の絶妙の位置に付けているのである。見たくない物は巧妙に楽屋裏、劇場チックなポジションと言えるのだ。

展望はこればかりではない。西側に目を転ずれば富士・箱根・丹沢の山々が一望。北側では、樹林のぽっかり開けた中に、みなとみらい地区の高層ビル群が額縁にはめこまれている絵のようだ。それら額縁を形作る樹林こそ桜の樹なのである。大半はオオシマザクラなど白色の花で、開花も下界のソメイヨシノよりも1週間ほど遅め。先の劇的な展望が、桜や新緑のパステルトーンに彩られ一段と美しい。じっくりと花見を楽しむには、展望台の一段下のベンチのある広場がいい。

肝心の六国見山のピークは、展望台からさらに東へ数分歩いた所にあるのだが、道の中央に三角点の標石と、最近設置された小さな看板があるのみ。山の主客がこれほど逆転しているのも、ある意味ドラマチックなのかもしれないが。

◆おすすめコース
北鎌倉駅―六国見山(25分:初級向け)※ちゃんと歩きたい方は、天園方面から遥々歩いて来て、ラストに極めるのがお奨め。

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展望台からの奇跡の見晴らし(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド◎「湘南・三浦半島山から海へ半日ハイク」、マピオンなどネットの地図でも可

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