2015年6月26日(金曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第69山】立山3,015m「古来普遍の名山」

今年の夏こそは北アルプスデビューをしようと、お考えの方も多いことだろう。峰の一つひとつが鮮やかな個性を持ち、咲き乱れる花々、変化に富む展望など、とりわけ山登りに入れ込み始めた人にとっては憧憬の山々が連なっている。だがどの山も高く険しい。大概は山頂に至るだけで1日を要し、山上での宿泊が欠かせないから相応の準備と体力が要る。それはちょっと背伸びし過ぎ、登山基地から半日足らずの軽めの行程で済むような、それでいて一国一城の主たる風格を持ち、展望も山奥に居る実感も申し分ない山はないものか?そんな欲張りハイカーの野望に見事に応えてくれるのが立山なのである。

立山登山の歴史は古い。飛鳥時代末に開山され、江戸中期に建てられた室堂は現存する最古の山小屋としてごく近年まで現役であった。ただ、遠かった。登拝路は富山側から付けられていたが、途中何泊も要するから、厚い信仰に裏付けられた一大決心をもって挑んでいたのである。

それが、立山黒部アルペンルートが開通して状況は一変する。奥山の核心部とも言うべき室堂まで、機動力によって一気に到達できてしまうのである。そこから立山山頂へ往復しても3時間余り。しかもちょうど中間地点に山小屋(一ノ越山荘)、山頂には雄山神社の社務所があり、緊急時にはコースのどこからでも30分以内で避難できると言う安全上のメリットも計り知れない。シーズンで好天気なら登山者の行列がぞろぞろと連なり、見守りが居るのも同様だから、初心者や単独行でも心強い。

立山登頂の醍醐味はなんと言っても山頂からの大パノラマにあるだろう。奥山ゆえに周囲は山また山、北アルプス中のあらゆる峰が見えると言っていい。さらに足元の室堂平や五色ヶ原など山上に奇跡的に開けた広大な平地が景観上の格好のアクセントなって飽きさせない。一方で遠く富山平野や能登半島など、下界の眺めにもほっとする。

安易に登れることから山のベテランはむしろ敬遠気味かもしれない。が、山本来の良さを、技量を問わず平等に堪能させてくれるということなのだ。日本三名山にも列せられる立山の魅力は、古来誰でも受け入れてきた普遍性にも求められるのである。

◆おすすめコース
室堂-一ノ越-立山(往復3時間:初級向け)
※登頂は楽だが、その分だけ交通費が高い。

1409-6

東側から眺める豪快な立山(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド◎昭文社:山と高原地図36「剱・立山」

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