2015年12月3日(木曜日)[ 見解・資料 ]

国が国民を管理・監視。情報漏洩など、マイナンバー制度の危険

社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)は11月頃に個人番号が付番・通知され、15年1月よりマイナンバーの利用・個人番号が交付となり同年7月から関係機関との情報連携が開始されます。

国は「IT活用で行政手続きの添付が不要となり、国民の利便性が向上する」「正確な所得把握で社会保障や税の給付と負担の公平化が図られる」「災害時において真に手を差し伸べるべき者に積極的な支援ができる」など、定着に向けことさら利点を強調して広報しています。

そもそも国は、制度発足時に利用する税、社会保障、災害などの公的機関の情報に留まることなく、金融機関などの民間分野の情報にまでその活用を広げ、マイナンバーという1つの番号の中に国民のあらゆる個人情報を集約しようとしています。つまりマイナンバー制度によって国民の収入、資産などあらゆる情報を国が一元的に把握し、管理することが可能となるのです。

ではマイナンバー制度により、政府が宣伝する社会保障と税の給付と負担の公正化が果たせるのでしょうか。そのことはマイナンバー制度がそうさせるのではなく、そもそも政府が適切な負担により社会保障を拡充することで果たせることであり、社会保障は自立自助でという昨今の流れでは、マイナンバー制度により増大する費用負担を確実に徴収管理する要素にしかなりません。しかもマイナンバーの情報から漏れた者(住民登録抹消者など)は、社会保障などの公的サービスを受けることができなくなります。

さらにマイナンバー制度により集められた膨大な個人情報が、他に流出することなく保護できるとは必ずしもいえない状況があります。1つは年金機構での情報流出問題から明らかなように、マイナンバー制度でも最大級のセキュリティ対策を講じたとしても、昨今の緻密なサイバー攻撃により、常に情報流失のリスクを考えれば、税、社会保障等の重大な個人情報を一元的に保持することは非常に危険です。またマイナンバー制度からの情報は番号法で利用範囲を特定していますが、訴訟手続きその他裁判所における手続きや刑事事件の捜査、租税に関する法律の規定に基づく犯則事件の調査または会計検査院の検査など例外規定を設け、それらは自由に情報活用できるようにしています。この先民間保有の情報を取り入れることになれば、民間側からの情報流失の可能性もよりいっそう高まることが想定されます。

このようにマイナンバー制度は、政府が国民のあらゆる情報から分類、選別、等級化した上で、管理・監視することが容易となり、国民の利益を損なうような政策も従えさせることも可能な制度です。一方で国民の個人情報が守られる保障がないなど、あらゆる面で危険性の高い制度であることが国民の間に知られていないのが実態です。

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