2015年12月3日(木曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第79山】杵島岳(阿蘇山)1326m「お気楽に阿蘇登山」

「阿蘇のカルデラは世界一」、そう教わった方は多いかもしれないが、実際は世界一どころか日本一も怪しい。世界には阿蘇の10倍クラスのカルデラがいくつかあるし、単純に陥没部の比較なら北海道の屈斜路カルデラの方が大きい。

とは言え、内外から見る阿蘇カルデラの大きさには素直に驚く。カルデラ内に街や里が展開している点や、外輪山から途方もなく広がっていく膨大な緩斜面にも目を見張らされる。「カルデライメージの見事さ」なら世界トップクラスと言っていいだろう。

阿蘇の最高峰は高岳だが、もちろんきちんとした装備が必要。「ハイキング未満かつ散策以上」レベルで、観光ついでに気軽に登れるピークは?それが草千里近くにそびえる杵島岳である。往復1時間余り、山頂近くまで幅の狭いコンクリート階段が続いている。ハイヒールはさすがに無理でも、パンプスやビジネスシューズなら登れてしまう。

全山が背丈の低いスゲ草に覆われ、終始眺めがいい。山一帯は放牧地でもあるので、ルート付近でも牛さんの落し物が多いのはご愛嬌。山頂からは噴煙の上がる中岳など阿蘇核心部の山も見えるが、強烈な印象を与えてくれるのが草千里の眺めだ。火口跡の輪郭は顔のライン、二つの水溜りは目玉、その中心の丘陵は鼻そのもの。ウルトラマンの顔にも見えてくるし、「太陽の塔」の金色の顔をイメージするかもしれない。

杵島岳自体が一人前の火山なので、大きな火口があって縁を一周できる。さすがにこちらは運動靴の方が良いが、少し回ると眼下に阿蘇きってのミニ火山である米塚が目に入ってくる。プリンのような整った形で、山の可愛らしさコンテストでもあれば、間違いなくニッポン一だ。

下りは草千里を正面に見ながら爽快そのもの。阿蘇カルデラの広大さを肌で感じ取ることができよう。気象条件が良ければ冬でも登れるのは嬉しい(ただし積雪はありハイク程度の装備は必要)。様々な「阿蘇らしさ」を一段の高みから実感させてくれる、手頃な立役者が杵島岳なのである。

◆おすすめコース
草千里レストハウスから往復1時間(初級向け)※現在の阿蘇山は噴火による入山規制があり、杵島岳もそのエリア内なので登れない。再開後に阿蘇観光をすることがあったら、立ち寄ることをぜひにもお勧めしたい。

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烏帽子岳と草千里。杵島岳直下から(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド◎昭文社:山と高原地図56「阿蘇・九重」※地元観光協会などの観光マップ等でも可

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