2016年2月19日(金曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第83山】陣馬山855m「展望のピークからグルメロードへ」

神奈川県の最北エリアにあって知名度抜群、ハイカーに人気の名峰が陣馬山だ。標高こそ高くはないが、実に堂々としている。近隣の山から見てみると、どっしりした山体に、ゆったりとした山頂部がおおらかなラインを引いているのが印象深い。実際、登り着いて見ると実に広い。緩やかな丘状の地形が連なり、樹林がないこともあって実に伸びやか。陣馬高原なる別称があるのも頷ける。

何より素晴らしいのは360度に渡り展開する大パノラマに尽きよう。正面には神奈川の屋根とも言うべき丹沢山地が大きく、あまたの峰を連ね抜群の存在感だ。反対側には奥多摩の幾重にも連なる峰々、遠く南アルプス赤石岳・悪沢岳も顔を出しているし、風景の引き締め役はやはり富士山で大きさや立ち位置が絶妙。さらには東京・横浜方面のビルや町並みが下界遥か彼方まで埋め尽くす。

植生より展望が売りの山なればこそ、冬の晴れ渡った早朝が何よりお奨め。朝一番に中央線藤野駅からタクシーで和田峠まで上がると良い。もちろん陣馬山のみではもったいない。ここから遥か東の高尾山まで延々と縦走路が続く。人気のルートで人は多いが、それゆえの良さもある。陣馬山、景信山、城山とそれぞれに茶屋があって、おでん・甘酒・汁粉等が味わえるのである。これほど密度の高い「茶屋山地」は他にはあるまい。

冬場ならキノコ汁がいい。店によって醤油仕立て、味噌仕立て、トロミの濃淡など、各山で味に個性があって、山上の格安プチグルメを楽しめる。夏なら夏で、かき氷がお目当て、たっぷり汗をかいた後だから下界の何倍も美味しい。どの山頂も広やか、人で賑わい縁日の境内のよう。談笑する人・こだわりの服装・メンバー構成、ちらり人間観察も乙なもの。そしてグルメ山旅の終点は、ご存知・高尾山。人出は最高潮で店も多数、お酒は途中でも飲めるが、締めのこの地でじっくりと嗜むのがいいだろう。

初心者でも安心して歩けるし、静かな山を好むストイックな向きにも、たまにはこんな賑やかハイキングに堕して(?)しまうのも一興だ。山の愉しみとは多種多様であると、認識を新たにするに違いない。

◆おすすめコース
和田峠-陣馬山-高尾山(5時間:初級向け)
※冬季の降雪直後は軽アイゼンやストックが必要。春先や晩秋の方が無難ではあるが。

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陣馬山頂のシンボル、印象的な白馬の像(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド◎昭文社:山と高原地図27「高尾・陣馬」

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