2016年4月11日(月曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第86山】灯明山96m「原生林が育む豊饒の海」

相模湾の西端にユニークなスタイルで突き出ているのが真鶴半島である。全国でも50ほどしかない「半島」のリストにちゃんと名前が載っている。面積僅か1km2ほどながらも、紀伊半島や房総半島と言った錚々たるメンバーと同格に扱われているのは痛快だ。

半島先端部の豊かな原生林は「魚つきの森」として知られている。クロマツや楠などの高木帯、アオキなどの低木帯、シダ類などの林床が階層構造をなし、豊かな土壌を形成する。滋養に富む腐葉土成分は雨によって海へ流されプランクトンを育む。そこへ魚が群れ集い、漁場として一流。まさに、森が豊穣の海を生み出しているのである。

そんな半島の最高地点が灯明山に当たる。江戸時代に航行用の灯明を設置していたことから付いた名の様だ。原生林の核心部に位置し、山頂一帯はまったりと広い。さして車道から遠くもないのに深山ムードを存分に味わえる。最大の売りは、個々の樹の巨大さにあるだろう。マツ類は小田原藩が植えたもので、近年は元気がなくなってきているようだが、一抱えでは済まないような極太の幹が真っ直ぐに伸び上がっている様に驚かされる。さらに見事なのが数多い楠で、その太さは想像を絶する。人が横に立つとスケール感がより強調され、まるでジュラシックパークの世界に迷い込んだかのようだ。

森を巡った後は海岸に下りる。今度は原生林を外側から見ることになるが、崖上から海上に覆いかぶさるような緑の迫力に、森が育む海の豊かさを実感できることだろう。

エリアは狭くとも豊穣の森を堪能するには、五感をフルに働かせてこそ。目で巨樹を見、耳で風と葉のざわめきを聞き、掌で樹肌に触れ足裏から土壌の感触をつかみ、鼻で森の香りを嗅ぐ。では残る味覚は?もちろん、歩いた後はせっかくの海の幸を頂くこともお忘れなく。幸い半島には地魚の店が多い。「感じるウォーキング」の締めくくりは、森の恵みの成果物である魚介類を味わおう。これにて五感で感じる原始の森巡りは完結するのである。

◆おすすめコース
岬入口バス停-灯明山-番場ヶ浜-海岸遊歩道-ケープ真鶴(1時間10分:初級向け)※逆回りも可だが、先に森を見てから海に出た方が魚つき森を理解しやすい。ハイキング的には物足りないかもしれないが、幸い真鶴半島は貴船神社や各種ミニ美術館などの観光スポットにも事欠かない。

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灯明山付近の楠の巨樹(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド◎真鶴町観光協会のサイトから「各種パンフレット」クリック→「真鶴さんぽ」をダウンロード http://www.manazuru.net/pamphlet/

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