2016年9月23日(金曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第96山】護摩壇山1,372m、龍神岳1,382m「最高峰のネーミング」

狭い島国ニッポン、凡そめぼしい山には名前が付いている。例外が開発の遅れた北海道で、主要峰を標高で呼ぶ例は多い。他の3島内にも、そこそこの存在で名無しの山は稀にあったようだが、さすがに今日では殆ど聞かない。そんな中で最後の無名大物が、和歌山県の最高峰であったのだ。

各都道府県の最高峰ともなれば、数ある山のステイタスの中でも極上クラスに属する。なのに名前がなかったのはそれなりの理由があった。和歌山県の最高峰は長年、護摩壇山とされてきた。源平の頃、平維盛が山頂に壇を組んで護摩を焚いて運勢を占ったことが由来と言うから、歴史的にも由緒ある山だ。その維盛ポイントのピークを護摩壇山と名付けた訳だが、700m東にほんの少し高いピークがある。ただ、両山の間は緩やかなアーチでつながっていて、遠目にはあえて峻別するほどの別の山には見えない。そこで、その最高地点全体を含めて、それこそ緩い感覚で、護摩壇山と呼んでいたようだ。

が、何事もきちんと決着を付けねば気が収まらないのが戦後の、特に昨今の風潮か。2000年になって国土地理院が、その最高点をより高い山であると認定。それを受けて2008年に地元田辺市が山名選定委員会を設け、全国から公募し翌年3月に決定を見た。その名は龍神岳。ここのピークが、かつては龍神村(田辺市と合併)に属していたことからの命名だろう。消えた村名が山名として復活したわけだ。

護摩壇山へはスカイラインの駐車場から近い。山頂は東屋があり、樹林に覆われ良きムードを出している。龍神岳へは緩いルートを下り、少し登り返すだけで労せず達する。こちらは樹林が切れ南側に紀伊の山々が果て無く連なる様が印象的だ。ただし山頂直下にはNHKの中継施設が建つ。電波塔や、例のロゴの付いた施設もあってまるでNHK御用達の山頂。いっそNHK峰とでもしておけば、全国的にはもっと有名になっていたかも……。

両山の真の価値は森の美しさにある。ブナやミズナラ、杉までが手入れよく気持ちいい。遊歩道が四通しているので、是非とも両山登頂と組み合わせたい。山頂など、所詮は山の上っ面に過ぎないのだから。

◆おすすめコース
護摩壇駐車場-護摩壇山-龍神岳(往復1時間:初級向け)

1451-2

龍神岳山頂碑の裏側 龍神岳から見る護摩壇山(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考サイト

護摩壇山|龍神村を見よう!|龍神村の観光情報/社団法人龍神観光協会http://www.ryujin-kanko.jp/contents/miyou/gomazan.html

イラストマップ|龍神村の観光情報/社団法人龍神観光協会
http://www.ryujin-kanko.jp/contents/map/map.html

Copyright (C) 2003 Yokohama City Labor Union. All rights reserved.