2016年12月24日(土曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第102山】天保山 4.5mほか「ニッポン最低峰争い」

ニッポン一高い山は富士山、これは自明。2位の北岳とは600m近い差があり、富士山自体が大崩壊でもしない限りその座は不動だ。一方でニッポン一低い山、こちらは壮絶な最下位争いを繰り広げてきた。

ニッポン一を名乗るからには、権威筋のお墨付きが必要と考えるのが至当なところ。ならば国土交通省国土地理院が測量した上で公認している高さなら、万人が認めるに十分だ。となるとニッポン一低い山とは、「〇〇山と名称のある、最も低い三角点または標高点」と定義されることになる。山らしい地形があるかどうか、と言うような外見はここでは問題外。

かつては仙台市郊外の海岸沿いにある日和山6mが最低とされてきた。そこへ最低峰の名乗りを上げたのが大阪市の天保山4・5m。元は江戸後期の淀川の浚渫工事の残土を盛って、桜などの名所となった「山」が起源だ。が、かつての山地形は時代の変遷で平らに均されてしまい、現地に行くと山などどこにもない。小高い展望広場はあるが公認の山ではなく、近隣でタイル張りの広場の中に三角点が埋め込まれている所が件の「お山」。その後ろに写真の通りの看板が立ち、三角点を踏むことで登頂を達成することになる。

実は標高0mの山もある。秋田県は八郎潟にある大潟富士だ。ここの干拓地一帯の標高はマイナス3mほど。そこに高さ3mの富士型の山を築いたので標高0mの山が実現したわけだ。ただ、国土地理院に山としての認定を申請したところ、さすがに取って付けた地形ゆえに却下されたらしい。

これで天保山のトップは確定したかに見えたが、東日本大震災で前述の日和山が津波に削られ、地盤沈下も重なる。測り直したところ標高3mになってしまい、ニッポン一の座を奪い返すに至った。だがそのくらいでめげないのが関西人だ。今なお天保山を「ニッポン一低い山」と喧伝し、近隣の商店街では申告さえすれば登頂証明書まで発行してくれる(名前は自分で書く)。その筋に却下されて、すごすご引き下がった東北人との気質の違いをまざまざ感じてしまうのである。結局のところ、最低峰の定義は各人それぞれの思惑が絡むもの。複数あっても賑やかでいい。

◆おすすめコース(天保山)
大阪市営地下鉄大阪港駅-天保山(10分:単なる街歩き)

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天保山の看板と三角点(左下)(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド◎マピオン等で大阪市港区から検索を

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