2017年2月17日(金曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第104山】南山544m「白馬鮮やか」

宮ケ瀬湖と言えば、県下ナンバーワンの水がめとして名高い。その宮ケ瀬湖の北岸に地味な低山が連なっていて、そこの盟主を南山と言う。「南」なる山名は湖側から見てのものではなく、北側の集落方面から名付けられたものだろう。

湖北岸の観光ポイントである鳥居原から歩き始める。ひと登りすると一帯の最高地点である権現平に出る。スギの樹が切り払われていて、桟敷状の展望スペースがあり、相模台地から横浜方面は言うに及ばず、三浦・東京湾・房総の眺めが絵画チックに展開する。

緩やかな稜線をもう一歩きすると南山のピークに出る。樹林が切れ展望は更に見事。眼前に広がる丹沢山地が圧巻で、最高峰である蛭ヶ岳が一段と高く天を衝いている。ちょっと気を付けて注視すると、その蛭ヶ岳の左隣のピーク(鬼ヶ岩)の手前直下に、鮮やかな白馬の姿が見て取れる。そこだけ樹林が切れていて、地肌がらしき模様を構成しているわけだ。積雪のある冬場なら、より光彩陸離として浮かび上がってくる。

山の残雪模様と言えば北アルプスが本場で、本家白馬岳の代掻き馬を始め、爺ヶ岳なら種捲き爺さん、常念岳なら常念坊主と言うように、著名な雪型が引きも切らない。が、実際に見つけ出そうとすると、具体的に教えてもらわないと何処にあるのかさっぱりだし、ようやく見つけ出せても「その形に見えないことも無い」と言う程度に納得するが関の山。そこへいくと、南山から見る白馬は実に明快だ。見つけやすい上に、誰が見ても一発で「白馬だ!」とわかるシルエットの完成度の高さ。この事実はニッポン中の山岳ファンにもっと知られていい。

下山は宮ケ瀬ダム方面へ急な階段を下る。家族連れならダム下まで行けば観光公園で遊べるが、向学家ならダムサイトの展示場(水とエネルギー館など)がお奨め。首都圏の他都県が渇水期の水不足に喘ぐ中でも、神奈川県だけは余裕があるのはご存じだろう。何より丹沢山系から県内自前で水を調達できるのが大きい。まさに神奈川の水は丹沢の賜物であり、件の白馬が水の守り神であるかのようにも思えてくるのである。

◆おすすめコース
鳥居原園地-権現平-南山-宮ケ瀬ダム(2時間:初級向け)※雪型目当てならズバリ冬がいい。春から秋はヒルが多いので要注意。

1462-3

南山ピークからの白馬型とそのアップ(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド◎昭文社:山と高原地図28「丹沢」

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