2017年7月11日(火曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第113山】東赤石山 約1,707m「水割りを片手に」

四国の山、と言えば石鎚山・剣山の2峰の独壇場で、山好きな人でもこのビッグツー以外は知らないと言う人が多い。では四国の№3はどの山か。いくつかの有力候補があるが、そのひとつに推したいのが東赤石山である。

四国の脊梁をなす石鎚山脈は東西50㎞に及び、標高は1500mから2000m。稜線は巍々とした峰々を連ね、日本アルプスを彷彿とさせる。ニッポン有数の大断層である中央構造線に沿って隆起した山脈で、瀬戸内海にごく近い。

赤石山系の峰々は石鎚山脈の東寄りに位置し、岩がちで些か難しい山も多い。幸い、主峰である東赤石山はルートがしっかりしていて、誰でも問題なく登れる。ただ注意したいのは、メインルートから登っていくと岩上に山頂標識があって、そこを真の山頂と勘違いしてしまうこと。それなりの展望があって山頂気分が味わえるのだが、よく見ると背丈の低い針葉樹林に細い道が伸びている。そこを数分辿ると突然に前方が開け、遮るもののない大展望が広がる。こちらには三角点と立派な看板が立っていて、本家山頂と気づく。おそらく先刻のダウトピーク(?)に騙されて、ここの大観を知らずに下山してしまう人は少なくないはず。

まずは東西に延々と延びゆく石鎚山脈。南には幾重にも連なる四国の重畳とした山々。そして北側は言わずと知れた瀬戸内海で、近いだけに山麓の都市から海に浮かぶ島々までが手に取るよう。他にはない独特の景観が新鮮で嬉しい。初夏には稜線のあちこちにピンク色のアケボノツツジが美しいアクセントをつけ、夏季なら蛇紋岩などから成る特異な地質ゆえに、多種の高山植物の花が花好きを楽しませてくれる。

日帰りで登る人が大半だが、山頂近くには極渋の山小屋「赤石山荘」がある。篤志な個人が建てた平屋建て、築50年でかなりガタが来ているが、小屋主が熱心にメンテしている。寝具はあるが自炊。小屋の裏手から美味しい水が出ていて、ウィスキーを割ると絶品だ。夕暮れ時、水割りを片手に小屋前から眺める赤石の岩峰は深赤色に染まる。名前の由来を実感できる、乙なひと時である。

◆おすすめコース
筏津登山口-赤石山荘-東赤石山(往復6時間:中級向け)※赤石山荘に泊まって(要予約)、翌日に銅山越へと縦走するのがベスト

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真正の山頂からの展望(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド◎山と高原地図54「石鎚・四国剣山」

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