2017年7月20日(木曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第114山】爺ヶ岳 約2,670m「登って良しの北ア入門の山」

山登りを始めて日帰りの山をこなし、いよいよ北アルプスにステップアップ!しかし単独あるいは初心者同士でいきなりアルプスは心配だ………と言って、立山のように大半を文明の利器に頼るのではなく、山麓からそれなりのアルバイト(労苦)があって汗を流したい。そんな安全性と達成感を両立できる山は?

かような希望によく引き合いに出されるのが燕岳だが、さらに標高差が少なく、より安全度も高い山としては爺ヶ岳が推奨できる。白馬岳に始まる後立山連峰の南端に位置し、山姿はさほどイケメンではないが、登ってみての大パノラマは一級品で、アルプス登頂を堪能できる。いわば、見るより登ってナンボの山。爺ヶ岳とはなんだか冴えないネーミングだが、春先に山頂付近に残る種まき爺さんの雪型に由来するもの。爺さんの姿が現れたら、実際に種まきをしようという農業暦の役目も担っていたことになる。

登山口は扇沢、立山黒部アルペンルートの入口である。信濃大町駅から観光用の路線バスがバンバン走っているから、北アルプスの中でも交通至便、お一人様でも問題ない。ベースとなる種池小屋までのコースタイムも3時間半。これなら夜行バスを使わずとも、朝一で東京・横浜を出て昼前位に登り始めれば余裕をもって到着できる。また通常の北アでは、高度を上げて森林限界を抜けると吹きさらしになるが、ここでは大半が樹林帯なので、荒天時でも風雨に叩かれる区間は僅か。それでいて小屋は樹林を抜けているので、居ながらにして見晴らしがいいのは贅沢だ。

翌朝はちょっと頑張って是非ともご来光登山をしたい。山頂まで1時間足らず。北・中・南の三峰から成り、中峰が最高峰だが、手前の南峰からでもご来光には十分。北アルプスの東端に位置しているから東面の眺めは遮るものがなく、富士山や南アルプス、八ヶ岳などが、果てしなく幾重にも朝日に浮かび上がる。背後には剱・立山の連嶺が見事で、すぐ北隣の鹿島槍ヶ岳の真紅に染まる雄姿には惚れ惚れするばかり。まさに「登って良い山」の面目躍如である。

◆おすすめコース
扇沢-(柏原新道)-種池小屋(泊)-爺ヶ岳(往路下山)(往復8時間:初級向け)※初心の内は、おすすめコース通りで満足度十分。慣れた人なら、もう1泊プラスで針ノ木峠方面へ、さらに経験者は1・2泊プラスで鹿島槍から五竜へ。

1479-06

爺ヶ岳南峰からの中峰(ご来光と登山者たち)(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド◎昭文社:山と高原地図35「鹿島槍・五竜岳」

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