2017年10月10日(火曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第118山】羊蹄山 約1,898m「本家よりも らしい 山」

富士山に姿かたちが似ている山は、本名とは別に「〇〇富士」と呼ばれ親しまれている。南部富士(岩手山)、諏訪富士(蓼科山)、伯耆富士(大山)などなど。中には富士山に模されるには、かなり苦しい山もある。逆に、数ある「富士」の中で最も富士山らしいのが「蝦夷富士」こと羊蹄山だろう。ある意味、本家富士山より富士山らしいと言えるかもしれない。

本家富士山は単純なようでいて結構複雑な山形をしている。突き出た剣ヶ峰、大沢崩れ、宝永火口など、富士らしい均衡を崩す要素がてんこ盛りだ。加えて、真上から見ると、等高線が円形ではなくかなり楕円状にひしゃげているのがわかる。一方の羊蹄山、均衡を破るような目立ったポイントは無いし、上から目線でもずっと円形に近い。玄人ならシルエットだけ見れば、本家富士山はどこから撮影したものか判別がつくが、羊蹄山ではどの角度から撮っても大差がなく見分けにくいのである。

もうひとつ、羊蹄山のオンリーワンがある。山頂火口の底を起点として、4町1村の境界線が放射状に伸びていることだ(図参照)。ニセコ町、倶知安町、京極町、喜茂別町、真狩村。ただ1点に5つもの自治体が集中しているだけでも極めて異例だし、それが噴火口のど真ん中に位置するというのが何とも愉快だ。

高さは本家の約半分、体積にして8分の1に過ぎないが、それでもどっしりと大きい山である。登山道は1合目から登らなければならないから、本家を5合目から登るのと大差ない。裾野を存分に引いているだけあって、近隣に邪魔な山もない。山頂からは抜けるような大パノラマが期待できる。北海道らしく、平地も遠方の山もせせこましくなく、伸びやかなのもいい。反対側には深い火口が望まれ、大小3つが数えられる。火口が分かれている点だけは「正統富士山らしくない」かもしれないが。

◆おすすめコース
羊蹄自然公園-羊蹄山-半月湖(7時間:中級向け)※9合目に避難小屋がありご来光見物に便利

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ニセコアンヌプリ山頂から、雲海上の羊蹄山(上の画像をクリックすると大きく表示します)

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◆参考地図・ガイド◎◎昭文社:山と高原地図2「ニセコ・羊蹄山」

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