2017年11月20日(月曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第121山】屋島 292m「観光名所を山から海へ」

屋島、と言えば源平の古戦場として知らぬ人はいない。源平の頃は文字通りの海上の島であったが、土砂の堆積により周囲が陸化され、今では四国本島との境界は細い川で仕切られているだけで、殆ど半島と言った風情である。

元々は火山地形の名残りで、大きな台地状の北嶺と南嶺から成り、周囲は急崖だが山上部は極めて平坦だ。四国八十八ヶ所の屋島寺をはじめ各種の施設が揃うが、近年は観光客の激減に悩まされていると言う。もちろん観光目当てでも良い所だが、ハイクファンなら少し足を伸ばしてみると観光目線では得られない見所・歩き所に巡り会える。

最寄駅から格安のシャトルバスがあるので、安易と思いつついきなり南嶺の山上へ。展望スポット「獅子ノ霊巌」からは高松市街地と瀬戸内海の眺めが素晴らしい。ランドマークタワーと同じ標高差ならではと納得もいく。また、平坦ながらも最高部には貴重な一等三角点があるが、看板もなく殆ど問題視されていないのは山岳ファンとしては残念なところ。次いで談古嶺の展望台へ。屋島古戦場を見下ろすが遠いので、あの辺りで那須与一が矢を射たのか、などと想像をめぐらしてみる。

車道兼遊歩道を辿り、いったん鞍部に下った後に北嶺に移る。こちらはぐっと人が少なくなり暖地性の森が続く。台上の北端にあるのが遊鶴亭だ。海上に突き出しているので270度に及ぶ海の眺めが圧巻。多数の島が遠近それぞれに浮かび、多くの船が行き交うのは如何にも瀬戸内海だ。

ここまで来たら是非にも島の先端に下る。台上から急崖エリアを下ることになり、初めて登山道の雰囲気になる。頭上には備長炭の材料として名高いウバメガシの密な枝葉が覆う。車道に下りそのまま突端の長崎ノ鼻へ。小高い岩の上だが、先の遊鶴亭よりも海に近い分、塩の香りとワイルドさが漂う。意外とも言える眼下の海の青さ、振りかえれば屋島のピークが台地の山とは思えないような、これまた意外な鋭さで天を衝いている。瀬戸内を吹く風に癒されていれば、遠い日の合戦の雄叫びが、かすかに聴こえてくるだろう。

◆おすすめコース
屋島バス停―獅子の霊巌―三角点―遊鶴亭―長崎ノ鼻(1時間30分:初級向け)※もちろん屋島駅から表遍路道を登るのもいい。長崎ノ鼻からは車を呼ぶか、車道を徒歩で。

1490-1

長崎ノ鼻から振り返る屋島の山(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド 最寄りの駅などで屋島のガイドパンフを入手すると良い。

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