2017年12月19日(火曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第123山】大文字山 465m「2大名刹を結ぶ山」

京都の夏の風物、五山送り火。大(町の左右に二つ)・妙・法・舟形(のマーク)の5文字を山上に火で描くものだ。その中で、右側の大の字の背後の山が大文字山と呼ばれ、格好のハイクルートがある。

スタートは京都五山別格の南禅寺。境内の外れ、瀟洒な煉瓦造りで知られる琵琶湖疏水の流路脇に登山口がある。初め谷合いで、ちょっと陰気なスギ林を上がる。稜線に上がると明るくなるものの、さして展望は無い。稜線上は「京都一周トレイル」のコースでもありランナーも多い。やがて山頂、これまでとは対照的にいっぺんに南側の展望が開け、心が躍る。眼下から遥かに連なる京都の町並み、背後に連なる周囲の山々。「ああ、京都だなぁ」と感慨に耽るひと時だ。

山頂からしばし下って行くと再び正面が開ける。樹が伐採された急斜面に点々と石材が並べられている。ここは「火床」と呼ばれ、つまりは大文字焼きの火入れエリアなのである。下界に近づいた分、そして遮る樹木が全くないこともあって、展望は先の山頂よりもむしろいい。それも当然、上からの眺めがいいほど、大の字が広く町中から見えているわけだから。それゆえ京都の町の全貌が、惜しげもなくその姿を晒している。所々にまとまった緑が点在、あそこが京都御所、あちらが○○寺、このラインは鴨川河畔などと、地図と睨めっこしながら同定に励むのが楽しい。火床に沿った急階段を下って行くと、五方向から火床のラインが集まる一点に至る。ここが「大」の字の中心部に当たり、お堂が建ち仏様が祀られている。

さらに下って行くと急に人が増えてくる。先の火床までは、一般観光客も下から上がってくるからだ。ようやく下りきると、さらに多くの国内外の観光客で溢れ返っている。それもそのはず、下山口が丁度銀閣寺の外縁に当るのだ。少し町中に繰り出して振り返れば、街並みの上に大の字が鮮やかに見える。

登山口が南禅寺、下山口が銀閣寺。京都を巡るハイクコースの中でも、いやニッポン中探しても、ここほど豪華な顔ぶれのコンビは無い。話のネタには絶好で、山に関心の薄い人にもウケること間違い無し。

◆おすすめコース
南禅寺-大文字山-火床-銀閣寺(2時間15分:初級向け)※紅葉シーズンなら山麓はメチャ混みだが山中は静か。ただし紅葉するような樹は少ない。

1493-yamayama

大文字の火床から京都の町並み(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎山と高原地図47「京都北山」

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