2018年1月1日(月曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第124山】三浦半島南岸「トンデモ地形の博物館」

地球の表面は十数枚のプレートで覆われていて、それぞれが移動している。その中の1枚が、遥か太平洋の彼方から日本列島の下に沈み込んでいるのだが、一部に沈みきれずに残された土砂の断片などが地層をなして再び隆起、それを付加体と呼ぶ。日本の大半はそうして堆積した付加体の寄せ集め、イザナギ・イザナミの国引き神話は方法論的には結構的を射ている。

三浦半島の南岸一帯は、海溝の底からせり上がって地上にまで姿を現した地層の中では、世界で最も新しい。それだけ関東南部は、地質的に激動エリアと言うことになる。そんな地質&地形の探訪をメーンテーマに歩いてみよう。

剣崎灯台からスタート。海岸線の路は遊歩道として整備されているが、潮や波の高い時は危険で通行できない箇所も多い。ある意味、奥山歩きよりも危ない場面もあると思った方がいい。海岸線は複雑で変化に富み、岬地形を回る度に、次々と新しい風景が展開する。中途にある漁協直営の地魚料理の名店「松輪」も魅力だが、地形のハイライトはずっと先の千畳敷だろう。その名の通りの広大な平地だが、只の千畳敷ではない。黒と白との縞模様が幾重にも描かれ、浸食抵抗の違いから、固い方の地層がまるで波涛が凝固したかのように連なる様が壮観だ。

他にも天地が傾いて見える「観音岩」、その昔追い詰められた泥棒があまりの剣呑さに観念したと言う「盗人狩」、まるで遺跡の柱を立てた痕跡のように連なる甌穴群など、まさにここはトンデモ地形の博物館なのである。首都や横浜からこんな近くに、ニッポンでも有数の海岸地形があることは目から鱗の思いだ。

もうひとつ驚きなのは、明治時代にはかような地形巡りはできなかったこと。当時は海面下にあったのが、関東大震災で2m近く隆起、千畳敷などの景観が陸上に現れ歩けるようになった。この2mが何千回と積み重なって、深い海底からせり上がって出来たのが三浦の大地なのである。

最後はバス道を歩いて三崎港まで歩こう。マグロ料理などで打ち上げをしつつ、悠久の地質史を振り返ってみては如何だろう。

◆おすすめコース
剣崎バス停─剱崎─千畳敷─宮川湾─三崎港(3時間:初級向け)※潮が高い時は通行できなくなるので、「潮位表」でネット検索して調べておきたい。

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千畳敷付近の豪快な海岸風景(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド◎「鎌倉&三浦半島山から海へ30コース」

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