2018年3月9日(金曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第127山】草津白根山 2,171m「山頂はどこだ?」

つい先日、突然の噴火でニッポン中を震撼させた草津白根山。冬はスキーのメッカだが、夏場には多くの観光客が訪れる。また日本百名山にも選ばれているので、登山愛好家にとっても大きな目標だ。ところが、百名山詣でをするような人にとってはなんとも厄介な存在でもある。というのも「百名山ゲット!」と高らかに宣言するには、どこかのピークを踏まねばならない。その山の主峰であると、多くの人から認知されている必要がある。実は草津白根山は、どこが主峰なのかはっきりしないのである。
本来なら観光名所として有名な湯釜のある火口外輪山の最高地点(2160m)が、主峰として妥当なところ。ところが有毒ガスのため火口のお鉢巡りが出来なくなって久しい。最高地点から程遠い、火口の一角に達するのがせいぜい。肝心の湯釜も遠望するのみだ(写真)。

観光道路を隔てた南側に本白根山がある。名前からして本家のようでもあり、『日本百名山』原作本でも本峰のように触れられているから、こちらを登頂目標とする人も多い。ところが三角点のある2165mポイントは、やはり有毒ガスのため立入禁止。その代替え救済措置か、近くに「遊歩道最高地点」の看板が立っているので、そちらで登頂達成とお茶を濁している人も多いようだ。さらには、近隣に最も高い2171mのピークがある。ところが激しい密ヤブの真っただ中で誰も登ろうとしない、というより一端の山として認めている人がいない。結局、草津白根山とはどこが真のピークなのか判然としない「曖昧な山」なのである。現実には、湯釜の見物と本白根山一帯を歩き回ること、この両者のセットによって登頂とみなす人が平均的なところではないだろうか。

今回の噴火地点は、本白根山に至る登山道をかすめている。もし噴火が夏のオンシーズンであれば、御嶽山のような多数の犠牲者が出ていた恐れは十分に考えられる。また当分の間、登山ルートは立入禁止になるに違いない。そうなると彼の山の登頂達成ポイントは益々混迷を深めることになる。自然が舞台の登山活動とは、自然の影響をもろに受けやすい営みであるとあらためて気づかされる。

◆おすすめコース
白根火口バス停-本白根山一帯(2時間:初級向け)

1499-2

凄愴な趣のある湯釜(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド◎昭文社:山と高原地図17「志賀高原」

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