2018年3月1日(木曜日)[ トピックス ]

裁量労働制 実態は「定額働かせ放題」

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佐々木亮弁護士に聞く

働き方改革関連法案に盛り込まれている裁量労働制の営業職などへの適用拡大。その問題点をブラック企業対策弁護団代表の佐々木亮弁護士に聞いた。

――「裁量労働制なら自由に仕事ができる」と政府は説明しています。
佐々木 裁量労働制で労働者に与えられる「裁量」とはそもそも何か? あえて言えば(1)仕事の進め方(2)出勤・帰宅の時間(の自由)――です。しかし仕事の量を自分の裁量で決めることはできません。

たとえ午後3時に帰宅する裁量があると言われても、10時まで残業しなければ終わらない仕事量を業務命令で与えられたら、実際には早く帰る自由はありません。想像してみてください。「夏休みだからたくさん休んでいいよ」と言われたのに、毎日やっても終わらない大量の宿題を出されたら、もうそれは「休み」とは言えません。裁量労働制の「裁量」もこれと同じです。

――裁量労働制の拡大で誰が得をするのですか?

佐々木 一番特をするのは労働者を使いつぶすブラック企業です。裁量労働制では、いくら残業させてもあらかじめみなした分の賃金しか払わなくても良いのです。つまり「定額働かせ放題」が可能な制度。対象を拡大すれば、これまで適用外だった管理業務や営業職にまで、広く「定額働かせ放題」が可能になるでしょう。今でも、残業代を払わない企業は後を絶たないのですから、「これなら合法的に残業代を節約できる」と、安易に導入しようとするブラック企業が増えるのは目に見えています。

裁量労働制は労働者にとってはほとんど良いことはありません。一方で、ブラック企業に餌を与える危険な制度です。(連合通信)

「裁量あるってうそつくな」エキタスのデモに千人 対象範囲拡大に反対アピール

最低賃金の引き上げなどを求めている若者グループ「AEQUITAS(エキタス)」が、働き方改革関連法案に盛り込まれている裁量労働制拡大への反対を訴えようと2月25日、サウンドカーを先頭に東京・新宿の繁華街で緊急デモを行った。「働いた分の金くらい払え」「裁量あるってうそつくな」と声を上げ、主催者発表で約千人が参加した。

国会議員と学者も訴え

国会議員らもサウンドカーの上からスピーチした。立憲民主党の長妻昭衆院議員は「安倍首相は岩盤規制にドリルで穴を開けると言うが、岩盤規制とは労働法制のこと。働く人たちにとって労働法制は命を守る最後のとりで。過労死を増やす裁量労働制拡大は止めなければならない」と訴えた。共産党の小池晃参院議員は「裁量労働制は携帯電話の定額使い放題のように、労働者を定額働かせ放題にする制度だ」と批判した。

衆院予算委員会の中央公聴会(2月21日)で意見を述べた上西充子法政大教授も沿道に向けてこう語った。

「裁量労働制で効率よく仕事ができると政府は言うが、『あなた、仕事できるね。もっと仕事やって』と長時間労働になるだけ。裁量労働制や高プロなど危険な制度を一緒にした『毒まんじゅう』が、今議論されている『働き方改革』の実態だ」(連合通信)

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