2018年4月19日(木曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第130山】池子の森自然公園「米軍占領のメリット・デメリット」

逗子市と金沢区に跨る「池子の森」、総面積は300ha。戦時中に旧日本軍に接収され弾薬庫が築かれたが、戦後すぐに在日米軍の管理下に置かれた。ベトナム戦争終結に伴い遊休化、返還が期待されたが、結局は米軍向け住宅が建設され今日に至る。熾烈な反対運動も実らず、谷底の一部が宅地化したのは実にくやしいが、一方で周囲の山林は手つかず。交通至便であり、戦後ニッポンの流儀による宅地開発なら、山を含め洗いざらいだったはず。それを免れたのは、米軍占領下のお蔭とはなんとも皮肉。

つい先年、エリア内の自然公園が休日に限ってニッポン人にも開放された。元々は米軍住宅地のオマケに整備され、軍人家族の憩いの場であったのだが、そんな来歴故に他の公園にはないユニークさ満載だ。

まずは最寄りの京急の神武寺駅からして、米軍関係者専用の改札口があってニッポン人無用なのにはびっくり。園内の道路トンネル、これがアメリカサイズと言うのか、車の通行量に比べてやたらと大きい。入口上部の隧道名表示板は、「〇〇隧道」ではなく「××TUNNEL」。園内の案内も英語表記が多数派。殊に興味を引くのが「やぐら」など遺跡の説明板で、英語が優先、下方に日本語解説、普通の真逆なのがなんとも新鮮に目に映る。谷戸地形を利用しているが、ゆったり広場に大木がぽつぽつ、ニッポンの公園の様な箱庭感がなく、これもアメリカ流なのか。さらには園内の池にブラックバスなどの外来魚が居ない。異邦人の管理によって、異邦魚が持ち込まれなかったのも皮肉としか言いようがない。

他にも旧日本軍時代のトロッコの線路跡や、縄文時代の歴史資料館など、探せば見所も多い。もちろん公園探訪だけではもったいない。池子の森の外縁を一周するように、ハイキングコースが取り巻いている。マイナールートもあるが、神武寺から鷹取山へ抜ける道は定番のお勧めルートだ。最初に公園に寄るか、最後のお楽しみにするか、プランニングを工夫して「ユニーク公園」を楽しんでみよう。おっと、横浜市エリアでは住宅増設計画も燻ってる。公園を堪能しつつも、森の未来をしっかり見据えることを肝に銘じつつ。

◆おすすめコース
神武寺駅-池子の森自然公園-神武寺-鷹取山-追浜駅(2時間:初級向け)※公園開放は土日祝日限定で朝8:30から

130-yamayama

アメリカチック(?)の広やかな公園風景(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎「鎌倉&三浦半島 山から海へ30コース」拙著がオールカラーでリニューアルされました!

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