2018年6月5日(火曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第132山】八島湿原 約1,600m「手軽に湿原美を堪能」

「夏が来れば思い出す」のは尾瀬。初夏に咲き乱れる無数の花々に彩られた、夢の様な湿原風景は多くのハイカーの憧れの的だ。ただしハイカー未然の人=旅行と言えば観光の域を出ない人にとっては、文字通りの「遥かな尾瀬」。交通至便ではないし、それなりの装備でそれなりに歩かなければ辿り着かない。では観光気分の延長で、お気楽に楽しめる湿原風景は?

そんな一つが、信州は霧ヶ峰近郊の八島湿原だ。名にし負う観光道路・ビーナスラインの一角、駐車場から僅か数分下ればそこは広大な湿原の一角なのであるから。周辺に宿を取ったのなら、早朝か夕暮れ前の逍遥が絶対のお勧め。これは本家の尾瀬散策にも言えるのだが、人は少ないし、朝夕の斜光線を浴びると原全体が独特の陰影を帯びて、得も言われぬ空気感に包まれるのである。

43haに及ぶ湿原の周囲を取り巻くように遊歩道が付いている。時計回りでいいだろう。冒頭に登場する、アートな外形の池塘(八島ヶ池)が青空と雲を映せば、早くも湿原気分を満喫。

梅雨時から梅雨明け直後位なら、とにかく花の種類が多い。真紅のレンゲツツジ、オレンジ色のニッコウキスゲ、赤紫のホタルブクロ、赤ピンクのヤナギラン、薄紫のギボウシ、ピンクのシモツケソウ、黄金色のキンバイ類、紫のアヤメ類。簡単な図鑑やビジターセンターのパンフなどで花の名を当てていけば、ゲーム的要素もあって静かなる興奮が味わえる。

花を愛でつつ回り込むうち湿原を離れ、乾いた林道を歩く。実は八島湿原は湿原としては老齢で周囲からの土砂流入で乾燥化が進みつつある。やがては豊かな森へと遷移していくのだろう。

1周のラストは一段高い斜面を横切るように歩く。緑濃い樹林の中で森林浴が味わえるが、湿生ではないものの花の種類はむしろ多い。これまで歩いてきた湿原を高みから見下ろすことになり、気分も高揚して締め括りに相応しい。

霧ヶ峰にかけての周囲一帯には、ちょっとお洒落でちょっとレトロな山小屋が点在している。もちろん泊まるのも一興だが、喫茶だけでも利用できるところが多い。湿原散策を終え、木漏れ日を浴びながら嗜むコーヒーの味は格別である。

◆おすすめコース
駐車場-湿原一周(時間1:40初級向け)
※茅野駅や上諏訪駅からバス便もあり。ただし梅雨時は土日限定運行

1507-05

朝もやたなびく池塘と湿原風景(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎「八島ビジターセンター」のホームページからパンフやマップをダウンロード

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