2018年6月19日(火曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第133山】三瓶山(さんべさん・島根県) 約1,126m「登って楽しい山の一家」

登山……長く苦しい登りを続け、ひたすら山頂を目指す。せっかくの山頂も早々に辞することが多く、今度は長い下り道が待つ。単調で退屈。それが登山、と言われればそれまでだが、僅かな登りで山頂、その後も小刻みな上り下りで、めまぐるしく風景が変わる……そんな終始山歩きを楽しめるような山があってもいい。小ピークの連なる、ある意味箱庭的な山がターゲットだ。

中国地方で大山に次ぐ火山として名高いのが三瓶山である。カルデラの中に環状に溶岩ドームが並び、環の中央に火口を持つ。各ピークには男・女・子・孫の冠詞が付き、さながら三瓶一家のよう。最後の噴火は4000年ほど前と新しく、その後に植生が成立したが、風の影響などから笹原やブナ林が選択的に広がりバラエティーに富む。山を楽しむべき舞台装置が十分揃っているわけだ。

リフトから僅かな登りで最初のピーク、通信鉄塔が林立する女三瓶山に着く。これから辿る外輪山が一望、火口の底は豊富な緑に覆われ池も見える。登り基調となって主峰である男三瓶山に着く。ここの山頂は広大。ごく緩い笹原の高まりがいくつか展開し、日本海を始め展望が開ける。

コースを急降下していくと、正面に子と孫が仲良く並んでいるのが微笑ましい。樹林に入り展望がなくなってしばし、再び笹原になると前方の子三瓶と振り返る男三瓶が雄大そのもの。登り返した子三瓶山は、明るく開けた山頂に笹原が広がる。南側遠方には老年期の山である中国山地が幾重にも優しくうねる。

最後は火口の底へ。池の名前は室ノ内池。三瓶一家がぐるりと壁を成し、まさにここは室内、中庭(パティオ)に設えた池のよう。越えてきた山は遥かに高く、豊富なグリーンに覆われ、穴底だけあって静謐そのもの。山上部とは対照的なムードが心地よい。

以上、一周4時間足らずで、通常の山なら3山分位の変化を楽しめた勘定だ。さらに山麓を取り巻くように、露天風呂の数で勝負の三瓶温泉、ダイナミックかつ展示豊富な三瓶自然館、近代的ワイナリー、山を映す浮布池など見所に事欠かない。下山後も楽しさ満載なのが三瓶山なのである。

◆おすすめコース
リフト-外輪山一周-室ノ内池-リフト(3時間30分:初級向け)
※リフトから女三瓶山ピストンだけなら、30分程で三瓶山のエッセンスが堪能でき、山の装備も不要。近隣の出雲大社や石見銀山と組み合わせての観光は如何?

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女三瓶山から見る子三瓶山(右)と孫三瓶山(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎「三瓶山広域ツーリズム振興協会」でネット検索してHPにアクセス、登山マップをプリントアウト

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