2018年7月6日(金曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第134山】室堂&弥陀ヶ原 約2400m(富山県)「高原台地の逍遥」

アルペンルート雪の大谷と言えば、GW頃のテレビニュース等で季節の風物詩としてお馴染みだ。10mを超す雪の壁も梅雨が明ける頃には大半が姿を消し、一帯には広大無辺な高原風景が広がる。そして絶景満載の散策スペースを提供してくれるのである。

起点は室堂バスターミナル。シーズンには人で溢れ、国際観光拠点でもあるから近年は中国語でも満ち溢れる。散策路も同様、ミクリガ池方面は観光客がぞろぞろだし、立山方面へも登山客が列を成す。ガッツリ歩きたくない人が静けさを求めるのなら、室堂から西方、弥陀ヶ原方面へと下って行くのがお奨めだ。

ターミナルから5分も歩けば静寂郷である。立派な石畳道が続いているが、樹林が無いので終始展望は広大。振りかえれば立山が、右手遠くには剱岳の鋭鋒が圧巻だ。足元には数々の高山植物が咲き乱れ、運が良ければ雷鳥の親子の可憐な姿を見つけることもできる。ここが意外にも人が少ないのは、アルペンルートの車道と並行しているために敬遠されるのかもしれない。ただその車道自体、車の列は無く、カラフルなバスが遠くをゆっくり移動するのを見るのはむしろ楽しいと思うのだが。

1時間足らずの散策で高原ムードは終了。お気楽モードならここで行動終了としても良いが、さらにその先には樹林や湿原など、弥陀ヶ原に向かって変化に富むルートが延々と続く。

室堂や弥陀ヶ原一帯は立山火山の溶岩台地である。標高4000mを越えていたともされる巨大火山の裾野であるからとにかく大きい。そしてここのスケールを物語るのが北端の称名川一帯だ。特に上流部は称名廊下と称し、深さ百m以上の狭い溝状の谷底一杯に急流が岩を噛んでいることから、全体の踏破に成功したのはつい先年のことである。さらにこの称名川が溶岩台地を離れる所で、高さ350mの称名滝、雪解け期や大雨の後限定で姿を現す500mのハンノキ滝となって我々の目を驚かせる。

俗化の極みのようなアルペンルートの一角に、登山史の先端を行くような極限の地が同居している。室堂・弥陀ヶ原界隈の真骨頂は、地形の妙が織り成す懐の深さなのである。

◆おすすめコース
室堂―天狗平バス停(50分:初級向け)※早い時期は残雪も多いので事前に確認を。

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広大な台地の果てに見える剱岳(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎「室堂ハイキング」でネット検索して、地図をダウンロードすると良い。

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