2018年9月1日(土曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第137山】操山(みさおやま)169m(岡山県)「路面電車でGO!」

路上に響くモーター音とギア音。せわしない都会の真ん中を、ゆったりペースで軽やかに走り抜ける姿。昭和のノスタルジーを奏でる路面電車は、平成末の今なお幾つかの地方都市で健在で、環境に優しい乗り物として見直されている。

町中に食い込むように自然豊かな山を持っている都市は多く、地域の人に我が庭の様に親しまれている。岡山市もそのひとつで、観光スポットとして名高い後楽園や岡山城の背後にわだかまる緑濃い山エリア、それが操山である。登山口へのアプローチはズバリ路面電車:岡山電気鉄道だ。岡山駅から乗車して終点の東山で下車、そこはもう登山口間近。山中には遊歩道が網の目状に広がっていて自在に歩けるのが楽しい。

展望スポットもある。山上の三勲神社跡からは岡山市街地や中国山地が、旗振台古墳からは児島湾や小豆島が。ここに限らず古墳が多いのも特徴で、遥か太古から人の営みが息づいてきたことがわかる。山の反対側には里山センターがあって、自然とふれあう里山暮らしに親しむことができる。また山中には中型の常緑樹であるカナメモチが広く植えられ、歩道全体が緑のトンネルのよう。その路上にはあちらこちらで花崗岩(御影石)が露出している。操山の大半が、地中からせり上がった花崗岩で構成されているのだろう。

実はこの地質が曲者。近年、広島など中国地方で土砂災害が頻発している。一帯の山地に多い花崗岩は、砕け細かくなって砂礫(マサ土)と化すが、粒同士の固着力が弱いために大雨で崩壊を起こしやすいのである。ここの歩道にも、白っぽい砂が岩に混じって広がっている。山歩きの舞台にも防災のヒントが隠されているわけだ。

帰路ももちろん路面電車。途中下車して後楽園などに寄るといい。岡山城天守閣から見る操山は、登った後なればこそ格別の眺めだ。ともあれ、山へのアプローチが路面電車なのは、何とも粋だし心も躍る。横浜でもかつては縦横自在に町中を走っていたのが、昭和47年に全廃。当時の事情があるとは申せ、1路線でも残っていれば…。スタジアム前をのんびり走る姿を見てみたいと思うのは私だけではないだろう。

◆おすすめコース
岡山駅(電車)東山電停-遊歩道一周(1~3時間:初級向け)※地図を見ながら滞在可能時間に合わせてコースを組むと良い。

1515-6

岡山城天守閣から望む操山(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎「操山公園里山センター」で検索してホームページから操山案内地図にアクセス

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